保護者ブログ
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- 春夏秋冬 ~京田辺シュタイナー学校の一年~
- 京田辺シュタイナー学校で過ごす一年って、どんな感じでしょうか?季節の花と音楽と祝祭に彩られた一年を保護者目線でご紹介します。 春は、なんといっても入学式 桜や菜の花が咲く中、かわいらしい新1年生を迎える日を子ども達も楽しみにしています。5年生は、新1年生のために一人ひとりの名前を大きく美しく画用紙に書き、春の花いっぱいの花冠をつくります。8年生は、入退場の時に手をつないで歩きます。3年生と12年生はこれから一年間、教室がお隣さん。保護者も新しい仲間との出会いを楽しみに、入学式や歓迎行事の準備をすすめます。 新しく始まる授業にワクワク 学年がひとつ上がった子どもたちは、新しく始まる授業にワクワクしています。3年生から始まる生活科では米づくりや毛糸づくり、家づくりなど衣食住を自分の手で生み出します。4年生で学ぶ古事記や北欧神話、動物学は子どもたちが大きくなってもよく覚えている授業のひとつです。5年生から始まる世界史と日本史は「やった~!」と飛び上がって喜ぶクラスもあるほど。6~7年生になると、物理や化学、天文学など、それまで触れたことのない世界に導かれます。 メイポールダンス~花と緑の祭り…
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- 編入・移住を振り返って
- 私たち家族は家庭の事情で転居が多く、京田辺シュタイナー学校はシュタイナー系の学校としては3校目となります。京田辺への移住、シュタイナー学校への編入について振り返ってみたいと思います。 京田辺ってどんなところ? 当時、九州で田舎暮らしをしていたため京田辺シュタイナー学校に編入する事イコール移住となる我が家は京都という大都会で暮らしていけるのか?が大きな問題でした。出会いの会や面談で何度も京都に足を運ぶたびに 飛行場からの橋を渡れば「こんなに海の色が違うんだ!魚が見えない」電車に乗れば「沢山人が乗ってくる~!つぶれる!」家並みを見れば「屋根と屋根がぶつかりそうに立ち並んでる!当たる!」都会に怖気づいていました。 都会要素がありつつも案外のどかな京田辺 飛行場のある都市から京田辺に近づいてくると馴染み深い風景に変わってきて、のどかな風景を発見します。 「山が近いね」「田んぼがすぐそばに」「地野菜販売コーナーがあるね」 ここでなら、なんとかやっていけるかも?と思ったのが、もう8年前。子ども達も、すっかり京田辺っ子となり信号機やコンビニなど都会的要素に恐れることは無くなりました。 住居問題 移住…
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- 保護者の活動
- 新年を迎える会 京田辺シュタイナー学校では 毎年、一年の始まりに教員による「新年を迎える会」が開かれます。 この会は保護者と教員が共に学校作りを行うという意志を 皆で集い決意を新たにする会です。 とはいえ決起集会のようなものではなく、会は和やかに始まります。 「明けましておめでとうございます」とお正月の挨拶の言葉を口々に皆が集まります。 年によっては短冊状の紙におみくじとして今年一年を占う言葉を書いたり 自分への手紙を書いたりした後、会が始まります。 心に残る「新年を迎える会」 今までジェスチャーゲームや世界旅行ゲームなど様々な企画に参加しましたが 私の心に残った新年を迎える会の企画をご紹介します。 少し前に行われた 「おすすめの本ビブリオバトル」です。 ビブリオバトルとは本の紹介をしながら討論し競い合いながら コミュニケーションをとるゲームです。 私も企画を知った時からどの本にしようかと迷い 「これは、いける」と思った一冊を持参しました。 まずは小グループに分かれます。 無作為で小グループを作っているのに なんと私の小グループは私以外、全てが教員でした。 顔ぶれを見ただ…
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- 学校との出会い
- シュタイナー学校との出会いは、娘が保育園に通っていた頃。公立の小学校以外も検討したいなぁとぼんやり考えていた時でした。 我が子がのびのびと学べたらいいなぁ。先生がその子らしさを大切にしてあたたかく見守ってくれる、そんな学校がいいなぁ。 漠然としたイメージはあるのだけど、どんな学校がいいか具体的には全く定まっていなかったので、時間がある時に家から通えそうな学校をインターネットで探す程度でした。 京田辺シュタイナー学校との初めての出会い アースデイ出展の様子 奈良公園のアースデイというイベントに出かけた時、偶然京田辺シュタイナー学校のブースを見つけました。シュタイナー教育という言葉は知っていたのですが、実際どのようなことをするのか知らなかった私。家に帰ってウェブサイトを見てみると、木造校舎や美しい黒板絵、娘の好きそうな手仕事の授業もあって、なんだかとても楽しそう。 まずは学校がどんなところか見学に行きたいと思い、学校見学会へ行ってみることにしました。 学校見学会で感じたこと 学校見学会では、保護者の方や先生からいろいろお話を聞くことができました。 質問タイムではある方が、 「秋祭りで年…
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- 地域のみなさんへ感謝を込めて
- 学校から歩いて15分ほどのところに、酒屋神社という古い神社があります。 森に包まれたこの神社は居心地の良い広さの境内があり、訪れる人の憩いの場となっています。 いつしか本校の子どもたちも放課後や休みの折に鎮守の森に集っては遊ばせていただくようになりました。 今年も終わりが近づき、地域のみなさんへの感謝を込めて、学校から神社にお酒を納める時期がやってきました。このお酒は例年、元旦零時頃に初詣にいらした方々に神社から振舞われます。 冬休みが明ければ、新年初の登校日には全校で初詣に出かけてから七草粥を食べるのが恒例になっています。 このようにして、子どもたちが地域とのつながりの中で日々健やかに育たせていただけることに、心より感謝いたしております。 本年もありがとうございました。 M.T. *写真は令和5年元旦のものです
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- お家を作ろう
- 「たっだいま~!!」3年生の娘が元気いっぱい学校から帰ってきました。いつもなら、ぎゅ~っと飛びついてくるのに、シーンとしています。玄関に見に行くと、床にへばり付いて一生懸命何かを見ています。尋ねると、「床の木、どっちが上でどっちが下か見てるねん!」と。3年生は生活科で、家を作る授業があります。大工さんである「親方」と、校庭の一角に小さなお家を建てるのです。2学期は家作りに励む日が続き、その日はどうやら、木目の特徴をとらえることで、どちらがお日さまに向かって伸びた上か、根に近い下か、が分かると教えてもらった様です。フローリングの板の木目をみて、どちらが上か下かを1枚1枚、確認していたのでした。他にも、土壁は暑さや寒さから守ってくれる働きがある事や、柱を立てる為にもぐらの道具を使って穴を掘った事など、経験を重ねる度に、大人の私も「へぇ!そうなんだねぇ!」と聞き入ってしまうお話が沢山出てきます。ある日、「お家作りのお願いごと」を書くという宿題があり、娘は紙に自分の想いを丁寧に書いていました。クラス皆の想いを箱に詰めて、大黒柱の隣の地面に埋めるのだとか。箱を埋めた日も、「たっだいま~!!」と元…
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- 秋祭りで初出店
- 久しぶりに人数制限がなくなった今年の秋祭り。7年生の息子のクラスは初めての出店を経験しました。どんな店にするかの話し合いを1学期に始めたそうなのですが、様々な意見が出てなかなか決まらず、難航したようです。何個か候補があったようですが、息子はお化け屋敷をしたいと言って、クラスの話し合いに向けて家で準備をしていました。もしお化け屋敷をするとしたら、教室のレイアウトはどうするかという図を描いたり、人がたくさん並んだ時にどの様にしたら待ち時間を少しでも短くできるか考えたりと、知恵を絞ってクラスのみんなにお化け屋敷をアピールしていたようです。最終的に、お化け屋敷と雑貨の店にする、ということに決まり、お化け屋敷グループと雑貨グループに分かれて(時には一緒に話し合いながら)夏休みから準備を始めていきました。2学期になりいよいよ秋祭りが近づいてくると、準備をする作業量も増えてきました。部活が終わり帰宅して晩御飯を食べてから必要な物を黙々と作ったり、休みの日にも友達と電話で「ここはどうすればいいかな?」など相談していたりと、大変そうではあるものの、初めての出店に対する意気込みも感じられ、楽しそうだなと思…
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- 手から手へ
- 高等部に通っている娘は、夏休み中に学校に出かけてクレヨンを作っていました。短くなったり折れたりしたクレヨンを、汚れを取り除きながら削り、溶かして型に流すと、リサイクルクレヨンのできあがり。娘は秋祭りに向けて出店の準備をしていたのです。その他にも、サイズアウトした服やおもちゃ、食器などリユース可能な物品を集めていました。これらは秋祭りだけでなく、年に数回展示会場を設けて必要な人に手渡します。手渡す際にお客さんが決めた額の代金をいただいて、集まったお金は支援を必要とする海外の学校などに送ります。娘が参加しているこの活動には、Hand to Handという名前があり、数年前に高等部の生徒たちが立ち上げ、生徒間で引き継がれているものです。高等部に入った娘は、リサイクルやリユースによって廃棄を減らすことができるし、集まったお金は善いことに使えると、この活動を知ってすぐメンバーになりました。昨年は、集まったお金を送っているケニアのマゴソスクールから、運営に携わっている方をお迎えして交流会が行われ、生徒たちは話を聴きました。それから娘はより積極的にこの活動に参加するようになったように思います。先日行…
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- 和太鼓と娘
- 昨秋、娘たちのクラスは和太鼓に取り組みました。思春期の入り口に立ち、これまでとは少しずつ変わってきている我が子に、こちらもこれまでと同じように接してはいられなくなってきた…というタイミングでの、和太鼓。夏休みに入ってすぐに始まった練習は、思っていたよりもずっとハードなようす。普段から根気や努力というものとは縁遠いところにいるナマケモノ属性の我が娘…。果たして最後までやり切ることができるのだろうかと、心配がよぎりました。練習から帰ってくると「ただいま~疲れたぁ~…。」と、玄関先に倒れ込み、しばらくしてから勢いよく立ち上がると「今日はこんなん習った!」と、教わったことを実演混じりに話すようになりました。しかし、本番のオープンデイが近づくにつれ、もう楽しみながらやってみせる余裕はなくなり、疲労で口がきけないほどクタクタになって帰ってきたかと思えば、そのまま一言も発さず、手垢で色の変わってしまった撥を握り、一心に打ち込みの練習をするようになりました。その真剣な眼差しと、凄まじい集中力に、見ているこちらも思わず息をのんでしまうほど…。そんな日々を経て迎えた発表当日では、魂を震わせるような、天にも…
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- お父さんの活動について
- 京田辺シュタイナー学校では、教員と保護者が運営の他、様々な形で関わることにより学校を創り上げています。その中でお父さんの関わりについて少し紹介します。本校には「父の会」という自主活動が存在します。元々は、他のシュタイナー学校から編入してきたあるお父さんが、京田辺のお父さんの学年を超えたつながりをもっと深めたい、と親睦会をしたことがきっかけでした。子ども同士が同じ学年であれば、なんとなく接点があるけれど、他の学年の様子を知ることができなかったり、お互いの状況を知らないために、どのようにして学校に関われるのかわからなかったりするので、学年を超える交流をすることに意味があると感じたのです。その後、忘年会・新年会や、学校行事や運営会議の後などに、不定期ですが「父の会」を行い楽しくお酒を酌み交わしています。学校の活動について熱く語り合うこともあれば、今後の学校のあり方についてのアイデアが出て来ることもあり、貴重な場となっています。飲み会に誘ってもらい参加したことが嬉しくて、それがきっかけで学校への関わりをはじめることができたお父さんもいますし、和気あいあいと楽しみながらやっています。新しく来られ…
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- 石ころ
- 長い夏休みに「石の標本を作る」という課題に取り組んだ6年生。京田辺シュタイナー学校では6年生で「鉱物学」を通して地球の歴史である地殻やプレート、岩石など大地の成り立ちを学びます。息子も夏休みに入ってすぐに行った研修旅行から石探しをスタートしました。研修旅行先である徳島県、吉野川で拾ったものや、息子の父の実家である伊勢湾の海岸で拾ったもの、京都の鞍馬寺付近の河川で拾ったもの。8月半ばには15個以上集めることができました。大小の石ころたちを机に並べて図鑑とにらめっこしながら石の名前の目処をつけ、取った場所を再確認していきます。「これは、石英……変成岩……これは、何の石かなあ……」図鑑を片手に頭を抱えます。研修旅行の後、石に詳しい方に直接「この石の名前を教えてください」と教えを乞うた息子。その方は「教えることは簡単。だけど、あなたが自分の力で調べてその石の名前を知ることが大切なんだよ。必ず図鑑に載っているから。」と諭してくださり、息子も納得。その後図書館へ向かったのでした。わからないなりにも、少しずつ事典や図鑑を使って「調べてみる」ということの練習にもなったようです。標本箱となる箱を作るべく…
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- 夏休みの学童保育
- わが家は夫婦とも仕事に出ているため、息子は、夏休みの間の平日は学校併設の学童保育「ひだまり」に行きます。おにぎりタイム(午前中の軽食タイム)用のおにぎり、昼用のお弁当、水筒を持って行き、朝から夕方まで保育者に見守られながらたっぷりと遊んできます。1年生だった昨年は、慣れないせいか「行きたくない」と言うこともときどきありました。2年生の今年は様子が変わり、朝から体も軽く学童へ向かいます。ある日、夕方の迎えで校門まで来ると、グラウンドの遠くから息子が走ってきて私の前を素通り。砂場の方へ直行していきます。学童の先生に聞けば、今日は一部の子どもたちが大規模な「かんがい工事」をしていたとのこと。「かんがい工事」の現場へ行くと、なるほど、5、6人の子どもたちが砂を掘って巨大な溝を作り、水を流し込んでいます。息子はまだまだ掘るつもりのようで砂に手をつっこんでいます。「さて、帰るよ」「そろそろ片づけようか」と私も先生も声をかけるのですが、まったく聞こえていない様子。よくよく見れば、上下とも朝着ていた服とは違います。泥んこになったので着替えたところだった、というのですが、このままでは着替えた意味がなくな…