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2012/07/18
お蚕さん
前回ご案内しました12年生卒業演劇はおかげさまで無事二日間の公演を終了いたしました。ご来場くださった皆さま、公演に際しさまざまにお力添えくださった皆さま、本当にありがとうございました。さて、今回は夏休みよりも少し前の話題をお届けします。週末のある日、4年生の娘が紙箱を大事そうに持って、学校から帰宅しました。兄弟たちが興味津々で近寄っていくと、「お蚕さんの当番になってん。お蚕さんはお日さまの光が苦手やねんて。」と言いながら、そっとふたを開けました。中にはたくさんの桑の葉と、元気に動く小さな蚕たちがいました。お蚕さんの当番は、学校が休みの週末に蚕を家に持ち帰り、1日2回桑の葉を与えるお世話をします。農薬のかかった葉を食べると蚕は死んでしまうのだそうで、自然のままに植えられている学校の桑の木の葉は、蚕にとってとても貴重な餌になっています。紙箱に顔を近づけて耳を澄ますと、蚕たちが一生懸命に葉を食べる「カサコソ、カサコソ」という音が聞こえました。なぜ4年生で蚕を育てるのか、先生の説明によると、4年生で学ぶ「郷土学」の一環なのだそうです。京田辺は日本における養蚕の起源の地といわれており、「古事記」…
2012/07/10
2012年度 12年生卒業演劇のお知らせ
夏休みが始まりました。関西の梅雨明けはもう少し先になりそうですが、子どもたちの心はすでに夏。娘は、「毎日プールに行く!」と張り切っています。そんな低学年をよそに、まだまだ夏休みどころではない毎日を送っているのは、卒業演劇の準備が大詰めを迎えている12年生です。今年はシェークスピアの『マクベス』。本校の卒業演劇では初めて悲劇を取り上げています。7月14日(土)15日(日)の両日は、奈良女子大学講堂にて一般公演を行います。入場は無料です。開演時間など詳しくは学校ホームページをご覧ください。皆さまのご来場を心よりお待ちしております。なお、当作品は悲劇作品です。残酷な場面を含みますので、対象年齢は「小学6年生以上」とさせていただいております。小学5年生以下のお子様をお連れになることはご遠慮くださいますようお願いいたします。n*h
2012/06/25
スナップエンドウ
5月に入ってからこれまで何度か台所の調理台に、小袋に入ったスナップエンドウが置かれていました。「これはわたしが買ったものじゃないわ・・・ということは・・・?」と一瞬考えて、「あぁ、園芸の授業の収穫物のおすそわけだな。」と思い至ります。本校では3年の米作りから始まって、6年、7年、8年と「園芸」の授業が行われています。7年は3年の米作りのお手伝い、6年、8年では野菜作りを中心に行っています。我が家の子ども2人はちょうどその6年と8年。スナップエンドウはその8年の息子が持ち帰ったものでした。無農薬有機栽培の野菜たちの味はいつもなかなかのものです。見栄えの善し悪しは、その時によってばらつきがあるのですが・・・。今年の我が家では、「今、何作ってる?」「わたしたちはハーブ。あとさつまいも。」「芋掘りかぁ、いいなあ。」なんていう子ども同士の会話が聞こえてきます。そんな会話を聞きながら、わたしは「ではこのスナップエンドウをあしたの弁当の副菜に使おう。」と思い、また「次のおすそわけが届くのはいつかな?」と期待しているのでした。 k/k
2012/06/09
3年生 生活科始まる!
シュタイナー学校の授業の特徴として、3年生から始まる「生活科」があります。この「生活科」とは・・・?!3年生になった息子は、学年が一つ上がることよりも、この「生活科」が始まることをなによりの楽しみにしていました。「今日はな、人参の種を一粒ずつ蒔いたんやで。」(みなさん、人参の種ってご存知ですか? ほんとにほんとに小さいんです。 種の袋の裏には「すじ蒔き」と書いてあるくらい。 一粒ずつ蒔くなんて。私はビックリ!)「今日は、きゅうりの苗を植えた。」「お母さん、とうもろこしの種ってな、とうもろこしなんやで。でも普通のはな、赤とかの色がついているんやって。でも僕らが植えたのは色はついてないんやで。」と、まるでちっちゃな植物博士のよう。また別の日には、白い端切れ布に植物のたたき染めをしたり、よもぎを摘んで「よもぎ団子」を作ったり、ひつじのお世話や毛刈りをしたり、本当に毎回とても楽しみにしています。これからの一年をかけて、家を作ったり、お米を収穫したり、文字通り生活(衣食住)に即した授業が行われます。では、なぜ3年生で「生活科」なのか、『小学生と思春期のための シュタイナー教育』より抜粋します。~…
2012/05/30
最初の一歩 ― 「測る」エポック
娘が3年生になって間もない頃のことです。学校から帰るなり、「母ちゃん、ちょっとじっと立っといて」。椅子から立ちあがらせた私の足元にしゃがみ込むと、踵から上に向かって、両手の親指を交互に重ねるように少しずつ動かしながら「1、2、3、4・・・」と数えています。頭のてっぺんまで数えてから、おもむろに「うん、母ちゃんは○○寸!」。さらに大きなテーブルなどをちまちまと測るわが子に、「もうちょっと小さいものを測ったら?」と喉まで出かかるのを飲み込む私。ほほえましく始まったのは、「はかる」とノートの表紙に書かれた、単位を学ぶエポックでした。その後もしばらく「この戸棚は○束(つか)!」「湯船は○尋(ひろ)!」という日が続き、そのうち「キュービット」「スパン」なんていう聞き慣れない単語も。子どもに聞くと、1キュービットは手の中指の先から肘までの長さ、1スパンは片手をいっぱいに広げ、その親指から小指までの長さだとのことでした。ある日はそれぞれの家から学校までは何歩あるかを数え、別の日は、全員がひとりの子の腕の長さを基準にいろいろな物を測り、最後は、学校から近くの神社までの距離を、いくつかのグループに分かれ…
2012/05/15
2012年 エポックノート展開催のおしらせ
毎年恒例の子どもたちの作品展示を今年も開催します。今年は、「感じる心・創る喜び –シュタイナー学校の芸術・工芸教育-」と題して、絵画、造形、手仕事、工芸作品を前面に出し、そのカリキュラムを展示しながら紹介します。どんな作品が並ぶのか、今から私も楽しみにしています。開催日:5月29日(火)~6月3日(日)会 場:京田辺市立中央図書館 ギャラリーかんなび後 援:京田辺市教育委員会その他詳細はこちら⇒https://ktsg.jp/:y…k:
2012/04/25
親もオイリュトミーにトライ
本校には「オイリュトミー」という授業があります。1年生から高等部まで週に1回または2回、子どもたちはその授業を受けます。はじめて「オイリュトミー」という言葉を聞かれた方は「それってなに?」と思われることでしょう。ものの本などにはこんな風に説明されています。「ギリシャ語で『美しいリズム』という言葉に由来し、ルドルフ・シュタイナーによって創られた。オイリュトミーは、音楽や言葉の「音の響き」の中に秘められている本質・法則を、人間の身体と空間を通して目に見えるようにしてゆく芸術運動である。」そう言われても、なかなか難しいですね。先日、大人のためのオイリュトミー講座に参加してみました。学校主催の講座ではなかったのですが、会場が学校ホールだったこともあり参加者は、学校の保護者が大半でした。男女それぞれ6人ずつ。その日がオイリュトミー初体験のひとりのお父さんがしみじみとこんな風に言ってらっしゃいました。「オイリュトミーというのは、空気を感じるものなんやねぇ」みんなでいろいろなフォルムを動きましたが、自分が動くことだけ考えているとひととぶつかったり、動きがばらばらになって美しくありません。頭で考えてい…
2012/04/21
新入生を迎える会2
今年の春は、春一番の発表があってからも、まだまだ寒い日が続きました。皆さま、体調を崩してはいらっしゃいませんか?4月は新しい出会いから始まりますね。4月7日土曜日、本校も今年もまた可愛らしい1年生19名を迎えました。今年はサクラの開花が遅かったので心配しましたが、七分くらいは咲いていました。そしてその奥にいつもは3月の卒業式の時に見頃のミモザが今年はこの時期に満開で、黄色のミモザと薄ピンクのサクラが、とても美しいコントラストを見せていました。校庭では入学式後、在校の2年生から12年生までの生徒と保護者が集まります。ホールから入学式を終えた一年生が出てくるのを合図に、まずハンドベルが鳴り、「ハレルヤ」の輪唱が繰り返されます。8年生の生徒たちが引率して、小さな1年生の手を取り、歩みを進めます。5年生の生徒たちは、頭に花冠を乗せてあげます。例年はここから1年生全員の集合写真をとり、手作りお菓子のお土産などが子どもたちに手渡されます。(詳しくは昨年のブログ「新入生を迎える会」をご参考に!)今年初の試みとして「ハレルヤ」の歌の後に、もう一曲歌のプレゼントをしました。「1年生の皆さんへ おめでとう…
2012/03/23
年例祭2
2月も下旬にさしかかる頃、2年生の息子が帰宅するやいなや、お手玉を棚から取り出し遊び始めました。いつもなら絵を描いたり、コマを回したりして遊ぶのに、どうしたのだろうと思っていました。次の日、同級生のお友達が遊びに来ても遊びは変わりませんでした。そのお友達も同じようにお手玉をし始めました。その後、息子が先生からのプリントを手渡してくれたとき、その謎が解けました。「年例祭」でした。例年2月の下旬に、生徒たちがこの一年間の学びを発表する機会が「年例祭」です。授業参観のない本校にとって、保護者がわが子の授業を垣間見ることのできる機会でもあります。ですが、特に低学年の子どもたちには「発表」という意識はあまりさせないように配慮されています。実際、2年生の息子のクラスでは、お手玉と笛を披露したのですが、笛の演奏の前に、笛を各自袋から取り出し、歌を口ずさみながら笛を手で擦って温め、指使いの練習をしました。さらに終了後、歌いながら笛を掃除して、片付けるまでを壇上で行いました。客席からは笑い声も聞こえましたが、日常の授業と同じ作業を経ることで、子どもたちがとても安心していた印象を持ちました。その他の学年は…
2012/03/09
全学年連絡会
ある土曜日の朝、子どもたちがメインレッスンを受けている時間、1年生から12年生までのお母さん(ときにはお父さん)あわせて20人ほどが校庭のすみのプレハブに集まりました。その日は、寒い日だったので敷物の上にみんながくっつきあって、テーブルをぐるりと囲んでいました。教師会からも先生が1人参加しています。そしてあたたかいお茶が参加者の手元に。さて、これは何の会でしょう?1年から12年までのお母さん(ときにはお父さん)は、今自分の子どもたちがクラスでどんなことを学んでいるか、日々どんなことを言ったりしたりしているか、どんな歌を歌っていたり、どんな文句を言ったり、どんなことに喜んだりしているか、時にはどんな悩みがあるか何が心配かを伝え合います。教師も同じように、今学校で起こっていること、行っていることを出来るだけ率直に伝えます。そして「来た人は自己紹介だけでも良いので、 ひとことしゃべっていきましょう!」と促されます。この会の名前は「全学年連絡会」といいます。堅い名前ですね。7年前に作られました。堅い名前でも中身はとってもやわらかい。今年度は6回開かれました。1年から12年がお互いを知るための会…
2012/03/01
おにぎりタイムとお弁当
学校給食のない当校では、各自家庭から「おにぎりタイム」といわれる時間にいただく軽食と「お弁当」を持って登校します。時間割の関係で、お弁当の時間が少し遅め(遅いときで13時くらい)なので、お腹がすき過ぎないように配慮されています。毎日メインレッスンが終了後、だいたい10時30分頃におにぎりタイムが始まります。「おにぎりタイム」というだけに、腹の足しになるものが基本ですが、おにぎり以外にパンだったり、フルーツだったり、野菜だったり、フレークだったりと様々で、それぞれの家庭でバラエティに富んでいます。各学年で異なりますが、わが子のクラスでは、音がバリバリなるようなもの、例えばおせんべいなどは持っていけません。理由は先生がお話をすることがあるからです。お話しは、どの子も本当に大好きで、それを邪魔しないための先生の心遣いだと感じます。おにぎりタイムだけでなくお弁当の時間もそうですが、子どもたちは自分のまわりの子がどんなものを持ってきているのか興味津々です。家に帰ってくると、「今日の○○ちゃんのおにぎりタイムはりんごまるごと一個だったよ。」「先生はお弁当に”お焼き”持ってきてたよ。」「ぼくもあんな…
2012/02/08
測量実習~体験実習③~
まだまだ寒さは厳しいですが、立春を迎え暦の上では春が訪れています。昨年12月の記事で高等部の福祉体験実習をお送りしました。少し間があきましたが、体験実習シリーズ第3弾をお送りいたします。まだ卒業演劇など一面でしか高等部をイメージできない低学年保護者の私には、高等部で行う実習の中で、農業実習や労働体験実習などとは少し異質な感じを受けるのが測量実習です。しかし、ほとんどのシュタイナー学校では、測量実習が10年生の授業に組み込まれており、学校によっては2週間にわたって実習を行うところもあるそうです。本校でも10年生の9月にこの実習が行われます。なぜ「測量」でなぜこの学年なのでしょう?毎年本校で測量実習を担当している先生の文章をご紹介します。『最後に、なぜシュタイナー学校で「測量」を行うのかを考えてみます。私自身は、その問いに対する答えは決して一つではなく、様々な意味があると思っていますが、とりあえずその中の3つ挙げてみますと、第1に、数学で学ぶ三角比を単なる机上の知識にするのではなく、それが現実にどう応用されているのか、実際の体験を通して学ぶこと。第2に、社会に出て行く時のために、見通しの効…
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