京田辺では桜の花がちらほらと咲き始めています。
風はまだ冷たい日が多いけれど、春はもうすぐですね。
本校がある京田辺市は、京都府の南部に位置しています。
電車で15分ほど行けばもう奈良県、という所にあります。
その奈良に春を告げる行事といわれているのが、東大寺二月堂で
毎年3月1日から14日にかけて行われる「お水取り」です。
正式には修二会(しゅにえ)といい、赤々と燃える大きな松明が
二月堂の欄干から突き出され、大きく打ち振られる情景を
思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
この「お水取り」で使われる真竹や蔦などは毎年各地から
寄進されるもので、今でもあちらこちらに竹林が残っている
京田辺一帯も、昔から真竹の寄進地のひとつだったそうです。
掘り出した真竹は、「二月堂様」と書いて街道筋に置いておくと、
通りかかった人や信者たちによって少しずつリレー式に運ばれ、
「お水取り」が始まるまでに二月堂へ届けられたそうです。
この風習を竹送りと言い、一時期は途切れていたそうですが、
地元有志の方々のご尽力で復活し、今では毎年行われています。
2月11日に行われたこの竹送りの行事に、
今年度郷土学を学んだ4年生が参加させていただきました。
子どもが持ち帰った行程表によると、竹林から竹を掘り起こし、
ふもとのお寺まで運んで道中の安全祈願をした後、竹はトラックで、
参加者はバスや車で東大寺の近くまで移動し、また最後の数キロを
竹を担いで歩いて二月堂に奉納したようです。
竹を担いだときの氷のような冷たさ、
寄進する竹に墨で書かれた平和を祈る言葉、
京田辺と奈良とそれぞれでふるまっていただいた暖かい食べ物。
「テレビの人が来て、映しててん!」。帰ってきた子どもの話は
尽きませんでした。そして「帰りのバスはみんな寝とった」。
いつもより一時間以上早く登校した彼らには、
長い一日だったんでしょうね。
n*h