12年生になりました

息子の1年生の頃を思い返しました。
シュタイナー教育に出会った頃、“子育ては、なんの種かわからないが、大切に育てることに似ている”というような話を聞いたことが、記憶の片隅にあります。
「たくさん水を与えすぎても萎れてしまうし、放っておいても枯れてしまう。どんな花が咲くかは、咲いてみないとわからない」という内容だったと思います。
本当に、息子が小さかった頃は、種から芽が成長してどんなふうに伸び、彼がどんな高校生になるのかなど、全く未知で、想像もできませんでした。
そして、この学校に通うようになってから、12年生(高校3年生)の真っすぐで素直でまぶしいような姿を見かけるたびに、息子もあんなふうになれるのだろうか…?と、心配ばかりしていたような気がします。
はじめての子育てに、行き当たりばったりで模索し、自分の枠にはめて、つい失敗しないよう手を出し過ぎたり、現代社会との折り合いをつけるのに苦労したり、私もたくさん学び考え、多くの出会いに救われて、やっとここまで来ることができました。
息子、とうとう12年生です。

昨年11年生では、たくさんの実習や体験をすることができました。福祉体験実習、労働体験実習、広島県大崎上島での社会実習、淡路島での全国シュタイナー学校高等部交流会など、どれも貴重な学びとなり、クラスの仲間との結束を深め、大変意義のある充実した日々でした。やりきった満足感のある楽しい想い出となっているようですが、その中でも息子は、労働体験実習として東大阪市にある町工場で実習させていただいた経験に、とても大きな影響を受けたようでした。
出会った皆さまに親切にしていただき、その一員として3日間勤務し、現場の空気を肌で感じ一緒に過ごした時間は、かけがえのない力になりました。はじめて見るような大きな機械や装置、ドロドロの油で研磨される部品、外国人実習生と一緒に作業させていただいたこと。社長が話してくださった、東大阪が下支えしている日本の高度な技術のことや、誇りを持って働くということ。
そして、実際に目の前にある部品が飛行機の外装に使われたり、宇宙開発のひとつにつながったりするということに、深く感動し、人の手や工夫がこうして実社会で本当に役に立っていることを目の当たりにしました。

そして、自分がこれから取り組む卒業プロジェクトのテーマをもの作りに関することに決め、幼少期からの大好きなことに挑戦をしようとしています。(大人には夢物語や無謀に見えるものですが)

これから、息子と12年生クラスの皆は、卒業に向けてのカリキュラムや、卒業後の進路について、真剣に取り組むことでしょう。私は、なんの心配もせず、心から信じて、明るい顔で(大丈夫!できるよ!)と、彼らにエールを送り続けたいと思います。
振り返って子育ての反省をすれば、栄養を与え過ぎていたことも、放任し過ぎた時もありました。けれども、立派に育ったなぁ!と、いまの息子を見ています。
この学校で信頼できる仲間に出会え、愛情たっぷりで熱心な先生方に支えられ、誰とも比べられることなく伸び伸びと自分の力を試しているように見えます。
どんな花が咲くのか、親が心配して勝手に限界を設定したりレールにのせたりすることなく、楽しみに楽しみに信じたいです。成長に、これからの未来に、ありがとう!

J

*労働体験実習、福祉体験実習は、過去ブログでも紹介しています。
「労働体験実習 ~体験実習①~」
「福祉体験実習 ~体験実習②~」

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