労働体験実習 ~体験実習①~

「秋祭り&バザー」が目前です。
本校のバザーでは、高等部の生徒たちが
お店はもちろん、パフォーマンスや裏方でも大活躍します。
とにかく彼らの秋は大忙し。その理由をご紹介します。


9月。2か月近い夏休みを満喫した子どもたちが学校に戻ってきます。
年間の行事予定表を見ると、
10月からはほぼ毎週末に何かしら行事の予定が入っていて、
「この週はこれがあって、次の週はこれで・・・・」とたどっていくと、
あっという間にもう冬休み!!楽しくも忙しい2学期の始まりです。

ところが、夏休み明けから10月までの1カ月、
学校はいつもよりちょっと静かかもしれません。
毎年この時期、高等部の生徒たちは、
学年ごとに校外での実習に出かけて行くからです。
9年生は1週間の農業実習へ、10年生は4日間の測量実習へ、
そして11年生は2週間の福祉体験実習と1週間の労働体験実習へ。

昨年度、体験実習を担当した先生の文章があります。

『高等部の教員たちが開校時よりずっと、
折に触れて皆で話したり確認したりしている
「高等部で大切にしたいテーマ」のようなものがあります。
それは、「本当の人に出会い、本当の社会に触れる」、ということです。

これからの自分の生き方を本気で模索し始めるこの時期、
「生の人、生の社会に触れ、体験し、触発されること」は、
彼らにとって大きな意味をもつと私たちは考えます。
学校の中での学びを豊かにするのはもちろん大切ですが、
「学校の外に出て社会を体験すること」が、
この時期の生徒たちにとって如何に大きな意味を持つのか、
開校時より生徒たちを見てきた私たちは、強く感じてきました。
各学年での実習を高等部のもう一方の柱とすべく、
・・(中略)・・、私たちは取り組んできました』
(学校報「プラネッツ」69号『二つの体験実習で生徒たちが得たもの②』より抜粋)

例えば11年生の労働体験実習では、
生徒一人ひとりの関心や将来への希望などを考慮して
分野・業種を決め、生徒自身や先生が、
あるいは保護者が協力したりしながら
夏休みが終わるまでに受け入れてくださるところを探します。

その決定は、11年生になったばかりの4月のガイダンスに始まり、
先生との個別の面談を重ね、卒業プロジェクトのテーマを決める
プロセスとも並行し関連し合いながら時間をかけて行われます。
現在の、そしてこれからの自分について考え、
社会とのかかわり方について具体的に考えてゆく、
その最初の大切な過程でもあるようです。

そのようにして決まった労働体験先は、ある年を例にとると、
幼稚園・レストラン・CM制作会社・馬の調教施設・音楽制作会社・
歴史博物館・乳児院・バレエスクール・気象予報士・
ファッションの小売関係・市場調査的な要素をもつ会社・
ローカル&グローバルな活動をするNPO・ユニークな自動車学校など。
毎年多岐にわたるそうです。

前述と同じ文章の中に、
労働体験実習を終えた生徒たちの感想があります。

『「自分ひとりで立つ、ということの意味を実感した」
 「地味で単純な作業が、華やかな活動を支えているのを感じた」
 「どれほど大変であっても、笑顔で楽しく働いているのが
偉いなあと感じた」』
(学校報「プラネッツ」69号『二つの体験実習で生徒たちが得たもの②』より)

自分で興味を持って調べたりしたとはいえ、
仕事の知識や社会人としての経験はほとんどない高校生を受け入れ、
忙しい時間を割いて関わってくださるたくさんの方々のおかげで、
生徒たちは学校の中で過ごすだけでは気づかない
さまざまなことを感じ取って帰ってくるようです。

そのような方々と出会うことそのものが、
単に仕事を体験するだけにとどまらない、
貴重な経験となって生徒たちの心に残るだろうことを思うとき、
直接お会いすることはなくても、
なんと多くの方々にこの学校の学びは支えられているのだろうと
改めて感謝の思いで一杯になります。
 
今年も高等部の生徒たちは
期待といくらかの不安を胸にそれぞれの実習へと向かいました。
快く受け入れてくださった実習先の皆様、ありがとうございました。

n*h



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