「星の祭りの日は、なかなか夕方にならんなぁ・・・」
というのは、
今年3回目の星の祭り当日を迎えたわが子の感想です。
一学期最後の日。
子どもたちは夕食を済ませてから、学校に向かいます。
しかも、この日は浴衣を着て行ってもOK。
こんな特別な日なので、夕方が待ち遠しいのです。
子どもたちを迎える先生や集まってくる保護者の中にも、
ちらほらと浴衣姿が見えます。
登校してきた子どもたちは、校庭に用意された数本の竹に、
願い事を書いた短冊や折り紙で作った飾りを結びつけます。
それが終わると、
数人がかりでそれを校舎の柱に一本ずつ紐で固定します。
立てて固定すると、二階建ての校舎の屋根も超えそうな
この大きな竹は、毎年、近隣の竹林から
地主さんのご厚意で切り出させていただいているものです。
すべての竹を立て終わる頃には
校庭にはたくさんの保護者が集まって、
各教室から校庭に降りてくる子どもたちを待っています。
夕方とはいってもまだ日差しの強い校庭に、
器楽部が演奏する音楽が静かに流れ、星の祭りが始まりました。
短冊に記した願いを音楽とともに天に届けるかのように、
各学年の子どもたちが音楽を奏でます。
1年生はいつも教室で歌っている歌や習いたての笛、
学年が上がるにつれて、合唱や管・弦楽器の演奏などが、
暗くなってゆく空に響きました。
途中で、校庭の中央に組んだ薪に火をともすのは
6年生の役目です。
次第に濃くなる闇の中で
パチパチと明るく燃える炎を囲んでプログラムは進み、
最後に登場するのは12年生。卒業演劇の初日が間近の彼らは、
劇中で演奏される音楽を初披露してくれました。
そして、その場に集まった全員でタリスのカノンを歌って、
星の祭りはおしまい。
帰る頃には、辺りはすっかり夜の闇です。
今日の星の祭りのこと。
これから始まる長い夏休みのこと。
曲を聴いてますます楽しみになった卒業演劇のこと。
一生懸命声をひそめて話しながら家族と暗い道を帰ることも、
星の祭りの「特別」のようです。
n*h