京田辺シュタイナー学校を長男が卒業して6年、長女が卒業して4年たちました。
長男は春から社会人2年目。長女は大学4年生になります。
14年間毎日3つ作り続けたお弁当は、今夫の分1つだけになってます。
大学入学と同時に長男は地方の大学に入学して家を出、その2年後に娘も地方の大学に入学。夫とわたしの2人の暮らしは4年目になります。
そして「この暮らしもわるくないな」というのが今の感想です。
昨夏、長男が職場の休暇で、そして娘が大学の休みで京田辺に帰省した時、わたしは自然に普段より少し頑張って食事の支度をし、子どもの予定を聞きながら自分の予定を立て、出来るだけ家にいるようにしようとしていました。
子どもたちがそれぞれの住処に帰ったあと、なんだか肩の力が抜け少しほっとしている自分に気付きました。
以前は子どもがいるのが当たり前の毎日だったはずなのに。子どもたちよ、ごめん!
そして思ったのです。
「あぁ、わたし子どもたちがいた頃、少し肩に力が入ってたんだ」
子どもたちがシュタイナー学校に通っていたころ、幸いなことに大きな苦労や心労があった訳ではありません。
でも、やっぱり少し毎日「親をがんばる」をしていたのだな、と気が付きました。
あの日々も面白かった。
けれど、肩の力が抜けた今の暮らしもわるくない。
「子どもさんがシュタイナー学校を卒業されて、親として良かった、と思うことは何ですか?」と聞かれることがあります。
きっと、それぞれの親御さんにそれぞれの答えがあるでしょう。
わたしは「子どもたちがいい大人に出会えたこと」と答えたいと思います。
大人というのは先生方に限りません。素敵な大人であるたくさんの親たちにも彼らは出会えました。
そのお陰で、彼らは根底で「人は信頼するに足る」と思いながら生きていけるようになったのではないだろうか、と思います。
もうひとつ挙げるとしたら「子どもたちが一生の友人に出会えたこと」を挙げたいと思います。
シュタイナー学校で長い長い期間をともに過ごし、良いも悪いも互いに知り尽くした友人は、子どもたちにとって何ものにも代え難い存在のようです。
子どもらはシュタイナー学校で出会った大人たちや友人たちから「生きていくお守り」をもらったのだなぁ、と思います。
「お守り」をもらって家を出た子どもたちは、この先しんどいことやつらいことがあっても、きっと自分らしく生きることを楽しみながら暮らしていくんじゃないだろうか。
わたしがのんきに「今の暮らしもわるくない」と思っていられるのは、心のどこかでそんな安心を感じているからなのだろうなぁ、と今頃気づいたのんきな母親です。
k/k