古代ギリシャオリンピック

毎年10月、京田辺シュタイナー学校では古代ギリシャオリンピックが開催されます。
子どもから大人へと成長する過程にある5年生のための行事です。
5年生は子どもの持つ軽やかさ(天)と大人の重さ(地)とのバランスがもっとも調和のとれた時期だそうです。オリンピック競技ではこの「軽さと重さの動き」の中に5年生のもつ肉体の美しさや内面の優雅さを見出すことができます。

今年の5年生は「堂々とオリンピックをやり遂げたい」という想いがあったそうです。
数週間前から朝の登校後に校庭5周を走り、当日までコツコツと準備してきた子どもたち。
息子も「今日は10周走った」と嬉しそうに帰ってくる日がありました。

オリンピック前日。
日が沈み、空がすっかり暗くなった頃、子どもたちの美しい笛の音色で「前夜祭」が始まりました。聖火を交替で掲げながら行進し、前へ前へと進みます。
子どもたちは個々にオリンピック当日への意気込みをクラスのみんな、先生、両親、そして自分へ向けて「決意の言葉」として表明します。
星空の下、一人一人の決意が大地にしっかりと響くように感じられました。

そしてオリンピック当日は晴天の青空。
前夜祭と同様、松明を手に力強く進む子どもたち。
競技種目はまずは体操から始まります。今年は「シュタイナー体育教育100周年」とのこと。簡単そうでいて少し複雑な動きを4列交互に合わせていく「ボートマ体操」※で準備運動もしっかり整い、いよいよ競技開始です。短距離走、マラソン、幅跳び、円盤投げ、レスリング、槍投げ、リレーとお披露目されます。風と一体となって走る姿や体全体を使って様々な競技に挑む姿は凛々しく、力強く、そして堂々としていました。

表彰式では一人一人、担任の先生が名前を呼んでくださり、お祝いの言葉をくださいます。しっかりと返事をし、表彰を受ける子どもたちの表情はやり切った安堵と喜びに溢れ、輝いていました。最後に「よろこびのうた」を大空に向かって歌い上げます。5年生の美しい歌声と立ち姿に観客席からも温かい拍手が続いていました。

オリンピックの祝祭が終わった後、クラスのみんなと葡萄ジュースで祝杯をあげたことが何より嬉しかった様子の息子。やり遂げることができた満足感でいっぱいです。

このオリンピックを境に、5年生は子どもから大人への歩みを進めてゆきます。
しなやかに、そして堂々と。地に足をつけて、一歩一歩成長する5年生の今後が益々楽しみです。
M.W.


※ボートマ体操;1922年よりドイツのシュタイナー学校で最初の体育教員となったボートマがシュタイナーと協力して発達させた数々の体操 。今回の前夜祭では、体育100周年を記念してボートマ体操「ダンス」も復元しました。




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