NPO法人立の京田辺シュタイナー学校では、12年間の課程を修了し卒業しても、「高等学校卒業資格」を取得することができません。そのため、生徒たちは11年生(高校2年生)の8月に高等学校卒業程度認定試験(以下、高認)を受けることになっています。
娘も11年生になり、高認の準備が始まり、試験科目の専科の時間はほとんどが高認対策の授業となりました。今まで受けてきた授業形態とは全く違うことに驚き、そして、初めての外部試験にプレッシャーを感じる日々が始まりました。クラス全体もプレッシャーから重たい雰囲気になっていたようです。
入学してからの10年間のシュタイナー教育の中で、じっくり物事を味わい学んできた娘にとっては、過去問題をひたすら解き、公式・年表を暗記する勉強法に、当初は戸惑っていました。背景や意味などを含め自分たちで発見しながら学びを進めてきた娘には、多くのことを短期間で暗記する勉強にどう取り組んでよいかわからないようでした。暗記中心の勉強法が染み付いている私はつい「点数を取ることが目的だから、意味や背景をじっくり考えるのではなく、効率的に勉強しなさい」などとアドバイスしてしまいました。
先生方は高認に向けて7月の夏休みは毎日補習授業、高認対策用のプリントを作成してくださり、過去問で合格点を取れなかった生徒には特別な課題を用意したり、わからないところはメールで質問に答えてくれたり、と生徒たちを全面的に支えてくれていました。
そのような日々を過ごす中で、娘はだんだんと気持ちを切り替えて、試験対策の勉強法を習得していきました。7月の補習期間も家に帰ってきては、先生からアドバイスをもらった「過去問10回分を3回ずつ解く」を目標に勉強していました。
いよいよ試験当日。クラスの友人たちと連れ立って試験会場に向かい、丸2日間で8科目の試験を受けました。高認という大きなチャレンジを終えた娘はすっきり満足して帰ってきました。高認を受けるための学びは普段のシュタイナー教育の方法とは違いますが、今まで学んだことを体系的に整理したり、その後の生活でも覚えたことが世界とつながっていると気づいたりしている姿をみて、努力したことは確実に娘の糧になっているなと、感じた夏休みでした。
M.M.
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