動物学

前回は低学年のおさんぽが
理科の授業につながっていくというお話でした。
その中でふつうの学校の授業ではあまり聞くことのない
「動物学」や「植物学」という言葉が出てきました。
そこで、今回は「動物学」についてご紹介します。

シュタイナー学校では4年生で動物学というエポックがあります。
エポックについては、また別の機会でご説明しますが、
ひとまず授業の大きな単元と思ってください。
では、動物学がどんな授業なのか、
学校報『プラネッツ』2010年春号、
4年生担任のクラス便りから一部をご紹介します。


『今日からまた動物学のエポックが始まります。
リズムの時間を終えて席に着いた子どもたちの前で、
私はいつもの通り笛を吹き始めました。
メインの話を始める前に笛で吹く曲は、
エポックによって違います。
そして笛を吹き始めた瞬間、子どもたちの顔が輝きました。
中には思わず「動物学や!」と声に出してしまった子もいました。
動物学のエポックは、
4年生の子どもたちにとって何より楽しみなエポックのようです。
そして教える私にとっても、学んでいけばいくほどわくわくして、
語る声に力が入りすぎてしまうそんなエポックです。
さて、今回のエポックでは
牛、イヌワシ、ライオン、象、馬を取り上げました。
まるで食べるために生まれてきたといっても過言ではないほど、
体のすべてが「食べる」ということを中心に作られ、
一日のほとんどの時間を食べて過ごしている牛。
空高く悠々と舞いながら全てを見下ろし、
恐るべきスピードと知恵で獲物を捕まえるイヌワシ。
そして、たくましくしなやかな体を持ち、
生きるために戦い続けるライオン。
それぞれの能力を最大限に生かしながら
懸命に生きている動物たちの姿は私たちの心を打ちます。
そしてそのそれぞれの美しさを学んだあとに、
それでは私たち「人間」は、
一体どのような力を持っているのだろう?と考えました。
人間にしかできないこと…
これは実は、「手」で人の為に何かをするという事なのです。
人間は「手」という宝物を持っています。
そしてこれを通して人のために、
世界の為に働きかけることができるのです。・・・』
 


こうして「動物学」から私たち「人間」について考え、
学年が進むとさらに大きな「人間学」のエポックへと
つながっていきます。
その一方で、1年生から続けてきた「手仕事」の意味を
子どもたちの心に刻む事になります。

:n.m:


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