我が子は昨年、高等部に編入学しました。
編入して1年半が経ち、当初のことを驚きとともに振り返りました。
京田辺シュタイナー学校は、小学1年生から高校3年生までの一貫教育で、1学年1クラスのみ、20数名の少人数のメンバーで12年間学びます。そのうち高等部は、9年生(中学3年生)からの4年間を指します。
「中3の男子が、8年間一緒に過ごしてきたクラスに入って馴染めるのかどうか。」
編入に対して、まずはこの心配が大きかったのですが、特に印象に残る授業があります。
それは、『言葉の美学』という国語の授業です。
いったいどのような授業が行われるのか、想像がつかなかったのですが、3週間のエポック授業を終えて持ち帰ったのは、手作りの詩集でした。
そこには、自分の名前に文章を寄せて自己紹介した詩や、クラスメイトへ向けてお互いに贈る詩、願いや想像、夢などの詩に手書きのイラストが添えられ、製本されていました。
現代の中学3年の子どもがクラスメイトの異性に対して、果たしてお互いに「君は花のようだ」、「風のようだ」と、学校の授業の中とはいえど、心を寄せて美しい詩を贈れるものでしょうか。
友を大切に慈しむ純真な気持ちが言葉になって溢れていたことに、私はとても驚きました。
友の存在を、光や波や竹、あるいは宇宙に例えてイメージを表現した創作に、心豊かな感性、素直な温かさや優しさを感じ、このクラスの一員として学ばせてもらえることができ本当によかったなと、思いました。
初等・中等部での8年間、友だちとの深い関わりを体得して育ち、お互いを認め合い、それを喜びとして一緒に学んできたからこそ、新しい編入生を受け入れる時にも、心から温かく迎えてくれるのかと、胸がいっぱいになりました。息子もそんなクラスメイトに触発されて、素直で明るい自己紹介や贈る言葉を書いていたことが嬉しかったです。
反抗期や思春期で複雑な感情を、こうして美しく言葉に表現し、友から「風となれ!嵐をまきおこせ!」とエールをもらえたら、それは素晴らしく力になるなぁと感動しています。
当初の馴染めるか、などという心配はすっかり吹き飛び、毎日楽しそうに登校する姿を心から感謝して見守っています。
高等部4年間のカリキュラムは、私にとっても新鮮な学びとなり、これからの授業もとても楽しみなのであります。
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*エポック授業など、
シュタイナー教育の特色はこちらをご参照ください。