京田辺シュタイナー学校では新学期が始まり、つばめの飛び交う校舎に子どもたちの声がこだましています。
8年生になった娘のクラスでは、春休みにもいくつか宿題がでました。
宿題の一つに「ピタゴラスの定理の証明をおうちの人に説明し、感想を書いてもらう。」というものがありました。
数学が大の苦手だった私は、かの有名な定理すら、忘却の彼方です。こっそり、娘の幾何学のエポックノートを覗いて、おさらいしました。
ピタゴラスの定理のページを開いてみると、冒頭には、斜辺にも線が引かれた升目に、直角三角形と四角形が描かれています。図の下には、「ピタゴラスは、寺院の石畳の模様を見て、定理を思いついた」という言葉と共に、定理の解説がありました。「なるほど、これがその寺院の石畳の模様か。」と思いながら、もう一度、図を見ると、苦手な定理も、生き生きとしたイメージとともに、すんなりと頭に入っていくような感じがしました。
親子共々、無事に幾何学の宿題を乗り切った後、今度は娘に解説してもらいながら、はじめから幾何学のノートを見てみました。
多角形の面積の学びは、古代エジプトへの旅から始まっています。
毎年、ナイル川の氾濫で土地の境界線がわからなくなっていた古代エジプトでは、すでに直角三角形の辺の比を用いた土地の測量がされていたそうです。縄張師といわれる測量士達が地面に張った縄で行った測量法の紹介と共に、多角形の面積の算出法の図解がありました。
円周の学びでは、クラスメイトそれぞれが、身の周りにある様々な円の円周を実測し、直径で割っておおよその円周率を算出し報告しあったようです。娘は水筒の円周を測ったそうで、割り出した数値を教えてくれました。
また、円の面積は、円形の色紙をいくつもの扇形に等分して並べ替えたり、細い紐を渦巻き状に巻いて円を作ったりして、公式を体感したようです。
ノートには、「幾何学の語源は大地の測量(geo-metry)」とも書いてありました。
いにしえびとが図形の真理と出会った様子を追体験したり、実際に手を動かしたりして、幾何学の世界と出会った子どもたち。やがて10年生になると、測量のエポックで自らが測量士になるそうで、楽しみです。
C.T
※10年生の測量の学びは
こちらをご覧ください。