前回、「本校ではさまざまな機会に演劇を体験します」と
ご紹介しました。
今回もそんな積み重ねの中で実現した
演劇の話題をお伝えします。
3月19日、20日に本校の10周年を祝う最後の行事、
「10周年記念演劇」の公演が行われました。
高等部の生徒有志が中心となり、
途中からは回りの大人たちも巻き込んで
「サウンド・オブ・ミュージック」の舞台を作り上げました。
以下は、その高等部生徒のお父さんの、
公演後の感想です。
K/K
・・・・・・・・・・・・・・・
約1年前、おそらく軽い気持ちで数人の高等部の生徒が
「10周年の演劇をやろう!」
と言い出しました。
思いつきで言い出すことは簡単です。
しかし、それを最後までやり遂げることは、
大人でも難しいことです。
夢を現実にする過程では、必ずといっていいほど
しんどいハードルがあります。
うちの娘も、何度も落ち込んだり、不機嫌になったり、
無口になったり、泣いたりしていました。
しんどいことがあってもモチベーションが下がらないのが
この学校の生徒たちのすごさです。
しんどいときはいつも仲間から電話がかかってきたり、
メールが届いたりしていました。
支え合う仲間がいることも、
この学校の生徒たちの強みです。
直前には大震災がありました。
「演劇をやっている時期なのか?」といった思いも
よぎったようです。そのときに
「東北に思いを届けよう」「義援金を集めよう」と
気持ちをセットし直して前に向かっていきました。
少々のことではへこたれないハートの強さは
どこで身に付いたんだろうなと思います。
家庭ではそんな教育はしていないのに。
高校生の年齢で、決めたことを
ハードルを乗り越えながら実現する経験をしたことは、
彼らにとって生涯の財産になると思います。
また、演じたメンバーがすごかったと同時に、
裏方のメンバーもすてきでした。
たとえば、普段は目立つことが好きな生徒や、
すでに卒業したOBが
演劇の後片づけで喜々として動いていました。
こんな裏方さんはなかなかいないよなと、
おっさんは静かに感動していました。
ところで、10周年記念演劇に
サウンドオブミュージックを選んだのは、
ラストシーンにある「困難を乗り越える」というメッセージが
本校の今後につながると考えたからだそうです。
こんなことを考える高校生って、
生意気のような、大物のような・・・。
生徒たちは、1年間かけた演劇が終わって
寂しい気持ちを感じているようです。
この気持ちは本気で取り組んだ人だけが
味わえるものです。
幸せな、寂しい気持ちだと思います。
私は娘の1年間を通して、
1年間のすてきな大河ドラマを
見させてもらったような気持ちです。
まだまだ大河ドラマがみられそうで、楽しみです。 サウンド・オブ・ミュージックの1場面。
『私のお気に入り』を歌うマリアとトラップ家の子どもたち。