手仕事

私は手仕事が苦手です。
雑巾を縫うのも一苦労。マフラーを編めば富士山みたいになってしまうし、刺繍なんてもってのほか。こんな私が、「手仕事」を12年間授業に取り入れているシュタイナー学校の保護者をやっているのは、我ながら不思議なことです。

そして、娘たちはどうかというと、血は争えないものですね。やはり手仕事がそれほど得意ではない様子です。6年生の長女は、課題だったぬいぐるみ作りに悪戦苦闘したようですし、4年生の次女も、<のんびり制作組>のレギュラーメンバーのようです。

「そりゃあそうだよなー。私が家で針や糸を持つところを、見せたことがないのだから。
見習うお手本が少ない分だけ、彼女たちのスタートダッシュも遅れたんだ。」

私はひょっとすると、ただ苦手なのではなく、手芸に対してコンプレックスがあるのかもしれません。心の中には、<手芸→できない!→ごめんなさい!>と耳をふさぐ自分がいます。

ところで、私と同じ手仕事が苦手な娘たちは、苦手に違いはないのでしょうが、私とは決定的に違うことが一つあります。なんと、彼女たちは手仕事が大好きなのです。

家に帰ればお人形の服を作ったり、刺繍をしたり。小さなお布団は編み棒で編み、スパンコールやビーズも付けて、それはもう賑やかなお人形の暮らしぶりです。
けして上出来とは言い切れないその小物たちを、来る日も来る日も飽きずに作り、そしてそれが、なんとも楽しげなのです。

私はいつから、<苦手=嫌い>の方程式にはまってしまったのでしょうか。
娘たちはどうして、そうならなかったのでしょう。「ひょっとして、苦手だとも思っていないんじゃないかしら?」と思えてくる彼女たちを見ていると、どこか羨ましさすら覚えるのです。

Y.K.

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