京田辺シュタイナー学校では
毎年、一年の始まりに教員による「新年を迎える会」が開かれます。
この会は保護者と教員が共に学校作りを行うという意志を
皆で集い決意を新たにする会です。
とはいえ決起集会のようなものではなく、会は和やかに始まります。
「明けましておめでとうございます」とお正月の挨拶の言葉を口々に皆が集まります。
年によっては短冊状の紙におみくじとして今年一年を占う言葉を書いたり
自分への手紙を書いたりした後、会が始まります。
今までジェスチャーゲームや世界旅行ゲームなど様々な企画に参加しましたが
私の心に残った新年を迎える会の企画をご紹介します。
少し前に行われた
「おすすめの本ビブリオバトル」です。
ビブリオバトルとは本の紹介をしながら討論し競い合いながら
コミュニケーションをとるゲームです。
私も企画を知った時からどの本にしようかと迷い
「これは、いける」と思った一冊を持参しました。
まずは小グループに分かれます。
無作為で小グループを作っているのに
なんと私の小グループは私以外、全てが教員でした。
顔ぶれを見ただけで「まいりました!」早々に敗北宣言です。
なんといっても教員です、読んでいる本の量が違います。
バトルに出してくる本の内容に、いちいち感嘆。
読み込む深さが違う・・
そのうえ人前で教えたり、説明したりを職業にしている教員に
おしゃべりのバトルで勝てるわけがない。
競う気も起きなくなった中、とうとう自分の順番が来ましたが
「もう、早く終わりたい」という気持ちでいっぱい。
さらっと話して終わろうとしたのですが
教員は教えることが職業だと思ったら
聞き出すことも得意分野の職業だったんです。
「それで?」「そこのどこがいいと思ったの?」
「それはいいね~」などなど合いの手までもお上手。
なんとか、しどろもどろになりながらも自分の本の紹介を終えたものの
そんな自分にがっかりしてしまいました。
私の沈んだ様子が気にかかったのか
一人の教員から「あのね、この本は読んだことある?」
と、とある本の題名をあげました。
「この本はね、H君(私の息子)にいいと思うんだよね」
するともう一人の教員も
「あ、その著者の本はH君にぴったりだよ、あの年齢の子どもにはぜひ読んで欲しい」
「そうそう、H君のミニプロ(8年生の夏休みで取り組むプロジェクト)で作ったあれは~」
と後半はなんだか息子の面談のようになってしまいました。
結局、私たちの小グループのビブリオバトルは
どの人の本もいいね~みたいな流れで終了!
バトルとしてはグダグダかもしれないけれど
なんだかほっこり温かい気持ちになりました。
これはこれで京田辺シュタイナー学校らしいのかもしれません。
(もちろんしっかりバトルしていたグループの方が多かったですよ)
私の夫は不参加でした。
「ビブリオバトルとか難しそうなのじゃなかったら行くんだけど・・やめとく」
と言っていましたが、私の体験談を聞くと
「面白そうだったな~行けばよかった」と後悔していました。
そうそう、会の最初に皆で提出したおみくじを
籠に入れてひくのですが
ちょっとした格言やコメントを考えて書いておきます。
おみくじを開いた瞬間に、みんな笑顔になるような おみくじばかりです。
《11期・12年・9年保護者》