2023年度の秋祭りでは
3人の卒業生と父親たちの井戸端会議が行われました。
そのうちの一場、卒業生との模様を抜粋してご紹介します。
卒業生3人はそれぞれ卒業年度は違いますが
2023年度の秋祭りにてラーメン屋さんの屋台を出店するなど
久々の学校での活動を楽しまれている所、時間を取ってもらい
在校期間の思い出話や秋祭りのご来場者からの質問に答えるなど
楽しい時間を過ごしました。
Aさん
東京の大学の4年生です。
教養学部になるのですが国際関係に興味があり平和研究を専門としています。
今は貧しい子どもたちが教育を受けられるように
バングラデッシュの学校を運営しているNGOの団体に関わっています。
平和とは戦争が無いだけではなく
子ども達が教育を受けることが出来るようになる、生活の基盤を整える
という事も含まれると考えており、そのようなテーマを掲げ活動している。
Lさん
卒業プロジェクトにて1年半、温泉巡りをテーマにしたことがあり
卒業後しばらくはその際に出会った温泉施設の経営広報や
温泉にまつわることを発信するなどしていたが
そのかかわりで医療従事者の方との出会いがあり
看護師という仕事に興味を持った。
今は医療従事者を目指し滋賀で看護学生をしています。
医療従事者と温泉では方向転換しているように見えるかもしれないが
温泉・看護・福祉など繋がるのでは?
また東洋医学、西洋医学のつながりなども考えています
Lさん
この学校では、小学1年生から高校3年生まででここでは1年生から12年生と言うのですが
11年生の中盤からクラスの一人一人が全然違うテーマを選び
教員と面談しながらそのテーマに沿った研究を行い、12年生の最後に皆の前で発表をします。
高校生最後の1年半で研究して発表をする卒業研究のようなものが卒業プロジェクトです。
Kさん
貴重な時間でした。
社会に出ると求められることは「成果を出すこと」ですが
自分で考えて動くことが必要。社会に出てからすごく役に立ちました。
入社時からレベルが違ったなと感じました。
司会
妙な自信がありますね、何か理屈じゃないですね
卒業プロジェクトの期間がトレーニングのようになっている、ということですか?
Lさん
そうですね、教員が「お前出来てないぞ」と言ってくれる。
「ここまでは出来てるけど、ここが目指してるところだな」と
「ヤレ」とは言わない。「ここまでやってみないか?」と提案してくれる。
司会
教員がまぁまぁしっかり厳しいですね。
Lさん
すごい密度です、関わり方が。
教員との距離が近く、家族みたいな存在で教員に支えられてきました。
その距離の近さがありがたかったなと思います。
Aさん
二年浪人したのだが、家で勉強を重ねました。
その経験が大学に入っても生かされており、自分の中では良い経験でしたが、
すんなり入れなかったという点では大変なのかな?と思います。
シュタイナー学校で学ぶことは大学に入る手段の受験勉強ではなかった。
この学校で学んだことは、大学に入る目的だったと思う。
自分は何をしたいのだろうという目的、テーマなどを考えるきっかけを
在学中に与えてもらいました。
Aさん
入学は1年からです。自分で決めたわけではなく父親がここの教員だったためです。
高等部に上がる際、8年生(中学2年)一度卒業し、また入学するというプロセスがあります。
そこで自分に問いかけた際、ここでもうちょっと学びたいと思いました。
何故かはわからない。他の学校も知らないのに、ここで学びたいと思いました。
Kさん
中学1年まで公立の学校でした。14歳の時にこの学校が開校したため、それまでは公立に通っていました。
シュタイナー学校なんて知らなくて、「どんな学校」?と聞いたら、「テストが無いよ」と言われ、それなら、と入学した。
Lさん
1年生で入学しました。自分が小学校に入学する際、両親は様々なインターナショナル校などを見学・検討していたそうです。その中で宗教的でもなく、勉強に特化するでもない雰囲気に惹かれたと聞きました。
Lさん
1~8年で家族みたいになっている中で言い合いや話し合いが出来る。
争いがあったというよりは許し合おうというマインドが持てていました。
教員と生徒というのはフラットな関係だったと思います。その状態での話し合いは打ち解け合えるし、
隠すことが無かったように思う。たとえ争いがあったとしても、緩和してくれるクラスメイトの存在や
他の教員のサポートもあったと在学中に感じました。
Aさん
卒業してからまた教員と新しく関係を築くことが出来ます。
8年間一緒なので絆が深い。今でも家に遊びに行ったりしています。
Lさん
卒業プロジェクトで宮沢賢治の研究していた子がいましたが、
「宮沢賢治の住んでいた場所に住みたいと」今岩手にいて、
宮沢賢治と自分を照らし合わせながら生きています。
Aさん
卒業後ずっと日本中を旅していた子がいました。
シュタイナー学校では授業で手を使う事、体験することが多いのですが、
その子も動いたり体験したり農業したり色々して、
最終的に北海道に落ち着いた。選び方がこの学校らしい、としっくりきました。
司会
体ごとの子が多い気がしますね。
このように卒業生の方からお話が聞けて嬉しく思っています。
この後、卒業生はブースにてラーメン屋さんをしているので
皆さん是非、お寄りください。本当にありがとうございました。