教育内容
シュタイナー教育では子どもの成長段階に応じて、子どもの世界を広げながら、必要なものを育てていきます。
生命は、大河の流れのように、親から子へ、人から人へと受け継がれ、未来に向かって滔々と流れ続けます。2001年4月、幾すじもの小さな流れが、子どもたちに引き寄せられるようにして、ここ京田辺の地に集まり、京田辺シュタイナー学校は誕生しました。そして今も、私たちはここで出会い、語りあい、子どもたちと共に、同じ時を歩んでいます。
私たちは子どもたちのすこやかな成長を、何よりも願います。強い意志、豊かな心、明晰な思考。子どもたちの魂の中で、それらが豊かに織りなされ、私たちの祈りにも似た思いが、その魂を温かく包むとき、子どもたちの中にはある力が生まれます。それは、人と共に生き、感じ、考え、共に夢を実現する力。そして、人とのつながりを大切にしつつも、時として、ひとり悠然と地上に立つ強さ。子どもたちが「天空へ憧れ発つ翼」と「大地に伸びゆく強い根」を持って、人と共に生きていくことを、私たちは願っています。
この学校は、子どもを中心にして、親と教員が向かいあい、語りあい、共に育んでいく場です。同じ思いをもって集まった人が、考えの違いに遭遇しつつも、言葉を尽くして語りあい、一つの意志に練り上げていくのです。それは色の異なる糸を、一枚の美しい布に織り上げる過程に似て、喜びと苦しみが交錯する、大変ながらも深く豊かな時間です。そうして共有された私たちの思いと、その思いを形作る行いは、地下の水脈を通して、子どもたちの心をも豊かに潤していくと、私たちは信じています。
シュタイナー教育を志す者として、深く学び、自らを高める意志を持つこと。みなで語りあい、夢を思い描き、ともに意志し、新しい未来を築くこと。一人ひとりが心の内に湧きあがるいずみを持ち、人も自らをも潤すこと。そして、いずみのごとくあふれ出る思いが、やがて清流となり大河となり、私たちの夢に向かい、どこまでも流れていくこと。
そのようにして、ここでの生命の営みが、未来に向かっていつまでも、滔々と流れ続いていくように、私たちは願います。
世界と出会い、学ぶことを通して徐々に自分にも目を向ける。やがて世界を広げていくことで自分の内をも深めていく。こうして自らの歩むべき道を選び取り、人生を切り拓いていく力を培う。その上で、人や社会とつながり、新しい未来を創造していく人となる。
自らの足で立ち生きてゆく礎となる力を育てる。同時に、目に見える現実世界の背後にある真理や美を感じ、個人の生を超えて、時代を超えた視野を持つ豊かな精神を育む。大地と天の間にしっかりと立ち、真理と美に結びつく人となる。