教育内容
シュタイナー教育では子どもの成長段階に応じて、子どもの世界を広げながら、必要なものを育てていきます。
シュタイナー教育の特徴のひとつは、総合的に国語力を高めていくことです。1〜2年では「ことば」(国語)の授業が中心になりますが、3年以降は歴史や地理、物理、化学など様々な授業を通して文章力をつけていきます。さらに、古典、演劇など体験を伴った学びも含めて、感受性、理解力、表現力を磨いていきます。
子どもたちの初めての文字との出合いを大切にしています。最初は一つひとつの文字のお話を聴きながら丹念に文字の質を味わっていきます。 2年生では、聖人伝やイソップ寓話などを取り上げます。授業の多くは、教員のお話を聴くことや詩の暗唱が中心で、書くこと、読むことはとてもゆっくり進みます。文字を読むのも最初は活字ではなく、自分で書いた文字や文を読むことから始まります。
3年生ではことばを支える骨のような存在として、文法の学習が少しずつ始まります。名詞、動詞、形容詞などの質を、物語を通してイメージとしてつかむとともに、少しずつ文の構造に意識を向けていきます。この時期の子どもたちは意識の目覚めが起きます。創世記のお話であるノアの方舟、楽園追放の物語や、地上に生きる人間の衣食住に関連したものを多く取り上げます。さらに、実際に自分たちで様々なものを作る体験をし、記録します。 4年生になると、自分と世界との間に距離を感じ始め、客観的な視点が生まれます。古事記、北欧神話、郷土学などを取り上げ、自分たちが暮らす土地や民族について学びます。
5年生では世界史、日本史、地理などが始まり、客観的かつ知的な学びに移行します。5年での植物学、6年での鉱物学など、環境とのつながりも含めた思考や観察も身につけていきます。 最初に教員の話をイメージ豊かに聴くことは今までと同じですが、5年生からは聞いた話を部分的に自分のことばで表現し、まとめていく練習が始まります。
子どもたちの興味、関心は大きく広がります。授業で聞いた内容を自分でまとめたり、関心の高いテーマを調べて自由研究のようにまとめる機会が多くなります。いきいきと表現しながら、相手に伝わる客観性も併せ持った文章作りを指導します。 8年生では演劇を作り上げていきます。演じる過程で、読解力や表現力を鍛えていきます。