教育内容
シュタイナー教育では子どもの成長段階に応じて、子どもの世界を広げながら、必要なものを育てていきます。
教員による指導の下、活動している「器楽部」「バレーボール部」「バスケットボール部」「野球部」「競技かるた部」。OB保護者の指導の下、活動している「テニス同好会」、6つの活動があります。
本校は、NPO法人の学校の為中学・高校の体育連盟による催しや競技会への参加はできませんが、多様な参加者に開かれた大会等に積極的にエントリーし、活動の励みとしています。
器楽部は、弦楽器はバイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、管楽器はフルートとクラリネットで構成され、春の「部内演奏会」と、秋の「器楽部定期演奏会」を主な目標として週4回活動をしています。「星の祭り」や「卒業式」など、学校行事のために演奏する機会も多くあります。週1回は自主練習日で、他のクラブと掛け持ちすることもできます。
初めて楽器に取り組む生徒も、すでに経験を積んでいる生徒も楽しめることを大切にしています。練習は基礎から始まり、先輩が後輩を指導します。合奏前の音階練習も高等部の部員が行い、自分達でクラブを作ることを経験しています。
音楽は人間みんなのもの、排他的にならないもの、向上していきつつ、みんなでつくっていけるものです。響いたり響きあったり響きを合わせたり、そういう大きな美しい呼吸をみんなでつくっていく楽しみが、音楽を超えたところでも生涯にわたって響いてくれるような感覚を大事にしています。音楽が生活の一部である、人生の一部である、そんな人生を送ってくれたらいいなとの思いで活動しています。
「競技かるた」とは、小倉百人一首を用いて、ルールに則って勝敗を決める競技です。試合には個人戦と団体戦があり、「全国かるた協会」が級位や段位を定めています。文化的で伝統的な側面と高度な競技性とが同時にあることが大きな魅力でしょう。
このクラブは、2022年に生まれました。「京都小倉かるた会」に所属していた生徒たちがプレゼンテーションやデモンストレーションを続けて、部員を集め、顧問の先生を見つけて、同好会から3年をかけて創部に至りました。
練習は週2回、教室にたたみを敷いて行います。競技かるたには、記憶力をはじめ、集中力や瞬発力、そして精神力が必要です。日々の部活動では、前半に札を記憶する練習やフォームの練習などをして、後半に試合を行っています。また、合宿や、「京都小倉かるた会」を通じて大会にも参加します。
どうやったら勝てるのか、どうやったらうまくなれるのか、どうやったら納得できる成績を残せるのか、生徒たちで話し合い、その為に何をしたらいいのかを考えながら練習を続けています。
真剣な雰囲気や緊張感を大切にするのも、このクラブの魅力の一つです。
バレーボール部では、12年生の引退試合となる「京都私学交流大会(京都府私学バレーボール連盟主催)」での上位入賞を大きな目標としています。
チームづくりや練習メニューづくりは、11年生がリーダーとなって取り組みます。この学校の良さとして、中等部・高等部が一緒にできるということがあり、バレー部には卒業した先輩が後輩たちの練習をみるという伝統もあります。
クラブ活動で一番大事にしていることは、心が動くことです。授業でも同じですが、心が動いて思考が動き、そして手足が動く。そこが一体になる充実感を大切にしています。
受け身にならずに、何もないところから自分たちで能動的に動いて工夫し、練習の中で目標を作って、それに向けて頑張るという姿勢を作る場として日々活動しています。
2003年、3人のメンバーで同好会として出発した野球部は、2005年に「部」としての活動が始まりました。それからは順調に部員数を増やし「京田辺市民総合体育大会」に出場できる部員数となりました。
2011年5月には同大会にて、2位という成績を残しました。
現在、週3回学校のグラウンドでキャッチボール、バッティング、ノックを中心とした練習を行っています。ゲーム形式の練習は、近隣の球場で行っています。
9年生になると引退ですが、保護者が「ヴァルドルフ」という野球クラブをつくり、引退後の活動の場として週末に練習しています。
けがをしないという安全面と、先輩が練習を見に来てくれた時などに当たり前の礼儀を尽くすこと、他校へ試合に行かせてもらったときに、相手チームに「気持ちのいい試合をしたな」と思ってもらえるようなチームにすることを大切にしています。
バスケットボール部では週4回、スクールバスで地域の体育館に移動して練習を行っています。生徒自らが練習メニューを考案し、男女混合で取り組みます。試合においても、選手交代などすべて生徒が行います。自分で考え、自分で行動し、そのような日々の活動を楽しみながら続けていくことを大切にしています。
また、校外の世界とつながることも大事にしています。対外試合の相手は主にクラブチームや社会人チームです。2017年からはプロバスケットボールのBリーグのチームとも積極的に関わってきました。練習試合や講習会のみならず、試合会場の設営に参加したり、試合中にコート上を清掃する「コートスイーパー」も体験します。一流の選手から学ぶのは技だけではなく、ひとやスポーツに対する謙虚な姿勢です。
バスケットボールの魅力のひとつは、チームメンバー5人がそれぞれの役割を理解し合い、活かし合うところです。仲間の得意なところを知り、それを活かすには自分はどう動けばいいのだろうか、それを考え、実践することでシュートが生まれます。そのようなチームプレイは、社会の中で他人と協働するときのあり方とも結びついてます。
テニス同好会では、全員ができるだけ多くの球を打つこと、楽しい時間にすることを意識しています。練習内容は、遊び要素や変化を付けることを意識しており、ゲーム形式でダブルスなどをメンバーを入れ替えながらやることもあります。
練習日は月1~2回程度で、土曜日の午前中に市営のテニスコートを借りて、2時間程度練習しています。
運動が苦手な生徒の割合が、他の運動部よりも高い傾向がありますが、最初はうまく打てない生徒も、しばらく続けていくと、ある時期から上手く打てるようになります。それが自信となって、見た感じがしっかりしてきます。シュタイナー学校の生徒の特長かもしれませんが、集中力が切れない生徒が多く、合宿をするといつまでも練習しています。
上手い、下手関係なく和気あいあいと楽しめること、毎回参加できなくても楽しめることといった、間口の広さと、続けていく中で確かに変化していく姿をみることができるのが魅力です。