本との出会い

ある日の学校からの帰り道。
「先生が、今日から家で本を読んでいいって言ってた!」と2年生の娘。そう話す彼女の眼はキラキラして、待ちに待ったこの日を迎えた喜びを噛みしめているようでした。

娘のクラスでは、家で本を読むのはクラスで読本の学びをしてからということになっています。
帰宅後、私は彼女が遊んでいる隙に急いで本を探します。
「字は大きめで、本人が自由にイメージできるように挿絵は少なめで、あとファンタジーな要素も欲しいよなー」と贅沢を言いながら本棚をひっくり返すものの、そんな都合の良い本はないか、、、と半ば諦めかけたそのとき、「モモちゃんとプー」といういかにも小さい人向きの文庫本を発見!字は大きめで挿絵は少し、数ページ読んだその内容は、“押し入れにねずみの王様が住みついていて…”、なんだか分からないけどファンタジー!

翌朝、その本を彼女に渡すととっても大事そうに両手で受け取ってくれました。その日は電車で出かけたのですが、移動中も寸暇を惜しんで本を開き、帰りの電車で「もう読み終わった!すごく面白かった!」と言う彼女。えー!もう読んだの!?とびっくり仰天の私。
幸いこの本はシリーズのうちの1冊だったので、後日急いで図書館に走り、彼女が開き戸に大事にしまっていた本の隣に借りてきた本をそっと並べておきました。翌朝、開き戸をあけた彼女からは「わぁ!!」と大歓声。「新しい本ありがとう!!」と飛んで跳ねてのお祭り騒ぎでした。それは、サンタさんからサプライズプレゼントをもらったときのような喜びようで、見ている私まで幸せな気持ちになりました。

彼女と本との出会いがこれほど大きな喜びとなったことに、そしてそのように導いて下さった先生に心から感謝しています。彼女に芽生えた「本、大好き!」の思いが育ち続け、どうか彼女の人生を支えてくれますように。

折しも、今日は節分の日。京田辺シュタイナー学校には恐い?楽しい?鬼が登場し、子どもたちは豆をまいて1年の邪鬼を払い、新しい年を健康に過ごせるように祈りました。
世界が困難にあるこのただ中にあっても、子どもたちの心身の健やかな成長を願い、我々大人にできることを考えたいと思います。

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