「体育でオリンピックの練習が始まったよ!」5年生の1学期が始まってすぐ、息子が嬉しそうに教えてくれました。
短距離走や長距離走など、自分の体だけを使う競技のほかに、円盤投げや槍投げなど、初めて手にする物を使って、それを体の様々な部分を使って投げるということは、思いのほか難しかったようです。先生の話をよく聞き、言われたとおりに体を動かすことに気をつけて、うまくできたり、できなかったり・・・。
2学期になると、世界史の授業の中で古代ギリシア、古代オリンピックについて学んだそうで。「オリンピックは、美しさを競うんだよ。オリンピックをするときは、戦争していても休戦するんだよ」あまり学校の授業で学んだことを家で話さない息子が、とても興味深そうに話してくれる様子や、その内容には、とても心を惹かれました。
今年は愛知シュタイナー学園より5名、福岡シュタイナー学園より13名が参加され、総勢43名で迎えるオリンピックです。残念ながら、前夜祭は雨の中での開催となりましたが、たいまつをもって行進する姿、雨の中、消えずに燃え続ける炎のもと、1人1人がオリンピックへの誓いを宣言する姿に、今までにない子どもたちの力強さを充分に感じる時間となりました。
迎えた当日。子どもたちの姿はとても迫力があり、それぞれが伸びやかにしなやかに、そして軽やかに体を動かし、真摯に競技に取り組む姿は、本当に素晴らしいものでした。前日に出会ったばかりの他の学校の生徒たちとも、楽しそうにコミュニケーションをとり、共に臨む姿。冠をもらったときの少し照れて、誇らしげな顔。
いつの間にこんなにたくましくなったんだろう。
いつの間にこんなに手足が伸びたんだろう。
いつの間にこんなに体をしっかりと動かせるようになったんだろう。
「オリンピックは1人1人の成長の場です」と言っていた先生の言葉を、ひしひしと実感しました。これからの成長がさらに楽しみになる反面、成長と共に少しずつ親から離れていくことを想い、それが少し寂しかったりしています。
I.M