夏休みが少し長めの京田辺シュタイナー学校ですが、7月中は部活、補習、園芸、研修、実習など、学年によっては、学校へ行く機会が案外たくさんあります。
それでも、8月、お盆前後には学校は完全なおやすみになります。
おやすみ中は、一学期間集中して学校の活動に取り組んできた心身を思いっきり解放し、二学期にむけて英気を養い、家庭によってさまざまに夏休みを過ごします。
毎年、我が家では遠方の祖父母方に帰省しているのですが、中学生になって世界が広がりつつある息子には、今年は少し物足りないかもしれません。
特別な過ごし方をしたいのではないかと、息子に相談しましたが、少し考えて「おじいちゃんとおばあちゃんのところでのんびり過ごす」と、いつもどおりの帰省を選びました。
ひさしぶりに訪れた田舎では、相変わらず祖父母は可愛がってくれるのですが、遊んでもらうという感じではなくなっていました。
草刈や大工仕事を手伝う立場になっていて、日常の仕事の手伝いをしつつ、時間を気にせず楽器を奏でたり、中断されずに本に没頭したり、一人でサイクリングにいったり、幼馴染と電車に乗りに行ったり、そのような過ごし方をしていました。
今年、息子のクラスの夏休みの宿題は、これまでより子どもの自主性に任されているようでした。
思いっきり遊ぶ、思いっきり課題に取り組むといった、担任の先生からのアドバイスもありました。
帰省した田舎の暮らしでの息子の「思いっきり」は、大人がアレンジした休暇の過ごし方とは違い、ゆるやかに見えました。大人と出かけたいと言うことはまったくなく、まとまった自分の時間を自分で決めて動いてゆく姿は少し大人びて、青年期への第一歩という雰囲気をまとっていました。
息子は、この夏休みで声がぐっと低くなり、骨格がしっかりとし、ニキビができるようになり、私から夫と見間違えられることが増えました。
秋には、バザー、演劇、課題の提出等、すること満載な集中の日々が待っていることを思い出しつつ、息子は、あともう少しだけの、のんびりと穏やかな解放の夏休みを味わっています。
T.S.