京田辺シュタイナー学校とESD 2

シュタイナー教育には、
体験的な学習がたくさん取り入れられています。
それがESDの実践、と思われる方は多いと思います。
確かにその一面はあります。

でも、実はシュタイナー教育の理念の中には、
ESDの根源的な考え方が含まれていて、
それが、12年間の学びの中に一貫して響いています。
だからこそ、12年間を通してのESD実践校と言えるのです。

では、それはどんな部分か…。
学校報『プラネッツ』に掲載された記事に
その一例があるのでご紹介します。
1年生のクラス担任が執筆した記事からの抜粋です。


桜が咲き、その根元に
色とりどりの花が咲き乱れている丘の話を、入学式でしました。
一人ひとりが自分らしい花を咲かせ、
自他の素敵なところを見つけるとともに
一緒にいられることを喜び合っていきたいというような話でした。
そんな思いを込めながら、
その日から毎日続けている手遊びがあります。

 「心の庭」 

ちいさな庭をよく耕して
小さな種をまきました
ぐんぐん伸びて 春になって
小さな花が咲きました
“ぽっ(小さい声)”

中くらいの庭をよく耕して
中くらいの種をまきました
ぐんぐん伸びて 春になって
中くらいの花が咲きました
“ぽっ(中くらいの声)

大きな庭をよく耕して
大きな種をまきました
ぐんぐん伸びて 春になって
大きな花が咲きました
“ぽっ(大きめの声)

心の庭をよく耕して
光の種をまきました
ぐんぐん伸びて 大きくなって
素敵な花が咲きました
“ぽっ(優しく広がるように)”


「心の庭」の最後に発する「ぽっ」では、
夢見るような雰囲気が教室に広がり、
その後、メインレッスンの中心の学びに入っていきます。

季節の香りあふれる教室で、
子どもたちがどんな花を咲かせていくのか楽しみであると共に、
私たちがそれをどう支えて行くことが出来るのか、
そんな責任をひしひしと感じています。」

~ 学校報『プラネッツ』2010年夏号
 新1年生のクラスだよりより(抜粋)~


それぞれが自分らしく、
そして一緒にいられることを喜び合って生きていく、
これはとてもシンプルなことですが、
ESDの出発点であり、目指すところでもあるような気がします。

世界を優しく包み込むような気持ちを、
子どもたちの心の庭に、
未来に向かって育ち花開く種として撒き、
その成長を見守ること。

すぐに結果が見えるものではありません。
でも、こんな未来を描くことが、この学校が、
シュタイナー学校としてとても大事にしていることだと
私たち保護者は考えています。

その想いが、
ブログのタイトルである「未来への種」に込められています。
そして同じタイトルは2010年6月より
京都地域創造基金の事業指定を受けてスタートした、
京田辺シュタイナー学校の新しい寄付の名前でもあります。

もうひとつの「未来への種」
どうぞよろしくお願い致します。



写真は、新入生を迎える教室の「季節のテーブル」。
プレスクールの時に、子どもたちが入学を楽しみに
ひとりひとりみつろう粘土で作った花から
やさしい香りが漂います。

:n.m:

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