現在、京田辺シュタイナー学校にはバレーボール部、野球部、
バスケットボール部、器楽部の4つのクラブがあり、子どもたちは
6年生の後半からクラブ活動に参加することが出来ます。
もちろん本校には、体育館もなければ広い運動場もありませんので、
運動系クラブの活動には常に
「練習場所の確保」という難題があります。
とはいえ、子どもたちはクラブ活動が大好き。
ある卒業生は、
「シュタイナー学校を卒業して何が一番良かったですか?」
と聞かれて、
「クラブ活動」と答えたそうです。
そう答えた卒業生が所属していた、
バレー部顧問のO先生が書かれた文章を少しご紹介しましょう。
『
・・・・・・・
試合を行うたびに、感じたこと、気付いたことなどを、
文章として書かせているのですが、これを読むと、
生徒たちがいかに奥深く考え、
たった一試合の間にいかに心を豊かに動かしているかを
感じることができます。もちろん、試合には勝敗がつき物です。
でも、勝つことが大切なのではありません。
心が動いてさえいれば、勝敗などどうでもよいのです。
大切なのは、生徒の心が動くこと。
・・・・・・・
クラブ活動は、大人の力に頼らずに、生徒が自分たちの力量や
知恵の範囲内で創意工夫、精進することができる世界です。
そして、自分の事として活動している自負があるため、
気難しい思春期においても成果や結果を自らの事として
素直に省みることができるのです。
・ ・・・・・・・
子どもたちの生活の中でクラブ活動は大きな位置を占めるように
なってきました。クラブ活動において、学年の枠を越えて
異年齢の生徒たちが深く豊かな人間関係を築き、
お互いを支えあっていくことができることは貴重な経験です。』
(プラネッツ56号より)
我が家の息子も、昨年から部活動に参加するようになりました。
これまでクラスの友達との交流が、
彼の人間関係の中心だったのですが、
今や顧問の先生や、クラブの先輩とのつながりが、
彼に新しい学びを与えてくれているようです。
実は入学した時には、
この学校で我が子がクラブ活動をするようになるとは、
全く期待していませんでした。
だって、運動場のない学校なんですから。
けれども、「やりたい」という子どもたちの思い、
そして「子どもたちの思いに応えてやりたい」という教師の思い、
そして「それをかなえるために、
自分に出来る手助けをしよう」という保護者の思い、
それらが合わさった時には、
普通なら「出来ない」と思われることでも、
現実化することが出来るのですね。
考えてみれば、このようなクラブ活動のありようも、
この京田辺シュタイナー学校のありようそのまま、
なのかもしれません。
この夏も、息子は真っ黒になってクラブから帰ってきていました。
k/k