「シュタイナー学校って、通信簿あるの?」親戚や、友人から、聞かれることが時々あります。
答えは、「YES」でもあり、でもやっぱり「NO」ともいえるような・・・。
京田辺シュタイナー学校では、1~8年生の初、中等部は年度末に1回、9~12年生の高等部は学期末毎に「かがやき」といういわゆる通信簿のようなものをもらいます。
娘が1年生の春休み、私がはじめて「かがやき」を目にした時の第一印象は、「アレ、数字が無い!?」。そうです、「かがやき」には、お馴染みの評価を表す、数字やアルファベットなどの記号はありません。
表紙をめくると、まず目に飛び込んでくるのは、詩です。これは、それぞれの子どもに向けた担任の先生自作の詩で、内容は、子どもを勇気づけるようなものや、導いてくれるようなもので、その時々によります。毎年、その時の子ども自身にしっくりくる、宝物のような存在です。
2ページ目は、1年間のメインレッスンの学びや学校生活の様子を丹念に綴った担任の先生の言葉で埋められています。
3ページ目以降は、専科と呼ばれる英語や中国語、手仕事、体育など各教科の先生から、それぞれの授業での子どもの様子が記されています。学年が上がるにつれて、専科も少しずつ増えていきますが、どの先生の言葉からも、子どもの奥に宿る光を見出し、その輝きをより強く、大きくしたいという温かくも強い思いが、伝わってきます。
よくよく見ると、表紙に書かれた「かがやき」というタイトルの下には「成長の記録」とサブタイトルが添えられていて、「これは、通信簿ではないんだな~」と改めて思います。
「早くいっしょに見ようよ~っ」娘に急かされて、手に取った5回目の「かがやき」。
低学年の間は、先生から保護者へのものという位置づけで、子どもには、詩だけが贈られていましたが、娘のクラスでは4年生から、保護者と子ども両方に向けたものになりました。
さっそく、嬉々として新たな自分の詩を繰り返し唱える娘。今年の詩は、娘を花開く桜になぞらえたものでした。
学校の前の桜の木には、小さなつぼみが、ほんのりと色づいています。
もうすぐ、新学期、そして入学式。今年も、また、たくさんの子どもたちのかがやく姿に触れるのが楽しみです。
C.T