『デジタル時代の子育て』
ミヒャエラ・グレッグラー/村田光範 監修 内村真澄 翻訳
イザラ書房 2021年11月初
ミヒャエラ・グレックラー Michaela Glöckler
医学博士、小児科医。1978年より、ヴィッテンのシュタイナー学校の校医を勤める。
その後1988年よりスイス・ドルナッハのシュタイナー思想によるゲーテアヌム精神科学自由大学・医学部門代表。
本校専科教員の纐纈先生による紹介文をご紹介します。
「誰もが未体験 デジタル時代の子育てー頼りになるガイドブックがでた!」
養老孟司さんが選んだ「今年の3冊」
12月に入ってから友人のYさんからのメール。用件の最後に、「毎日新聞の“2021年この3冊”という企画で、養老孟司さんが『デジタル時代の子育て』を取り上げて下さいました。ぱちぱちぱちー、たくさんの方に読んでもらえたらいいなー」との知らせがあった。
どれどれと推薦文を読んでみると、「子どもにスマートフォンをどう使わせるか、悩む親たち必読の書。デジタル・メディア使用の常識を知るためと考えれば、本書の対象は子どもの教育に悩む親だけに限らない」とのこと。このまま本の帯に使ってほしいことばだった。
誰が書いたの?
原書はドイツ語、編集はディアグノーゼ・メディアというデジタルメディアの専門家や専門機関の協力のもと、親や学校その他の組織とネットワークを築きつつ、子供の健全な発達を守り、テクノロジーやデジタルメディアとどのように責任もって関わるかについて考え、そして行動していくために発足したプロジェクトである。監修は小児科医のミヒャエラ・グレッグラーさん、1988年から2016年までゲーテアヌム精神科学自由大学医学部代表を務め、穏やかな語り口で深くてよくわかる講義者でもある。
どんな内容なの?
本書の仕立ては、1 なぜこの本を書いたのか、2 は子どもたちを電磁波から守る予防と提案、そして、0-3歳,4-6歳,7-9歳.10-16歳と、それぞれの年齢の成長段階に合わせてのメディアとの付き合い方の実践的なヒントが紹介されている。「デジタルメディアは長期的な視点で見ると子どもの学びに役立つか?」「デジタルメディア使用の危険性」など知っておきたい事柄に、教育者、デジタルメディアの専門家、発達心理学者、神経生物学者たちが、研究し明らかにしてきた成果をもとにした提案は、「子どもの健全な発達を促すものは何か」という確固たる裏付けに貫かれていて、大いに納得させられた。
日本語の参考図書、資料も載せてあり、気になるところは直接調べてみることもできる。写真が美しく、どこからでも読むことができるし、Q&Aが多用されていて、考えながら読めていく工夫もよいと思った。「若者がメディアテクノロジーの時代に健康的に参入するには何が必要であるか」という問いに対しての、大人のためのガイドブックである。たくさんの人に手に取ってもらいたくて、私は市の図書館にリクエストして置いてもらった。
帯によると、英語、アラビア語、オランダ語、ギリシャ語、韓国語などに続き日本語版は17番目。世界中が注目している。デジタル社会の子どもを守るために、こんなにすてきな仕立てで本を仕上げて下さった日本版のスタッフにも、謝意を表したい。
専科教員 纐纈好子
この度の世界的なコロナウイルス蔓延によって、社会のデジタル化は10年先取りされたとも言われています。今後ますます加速していくであろうデジタル社会で、大人は子どもたちをどのように導いていけばよいのかーー。
本校高等部教員4名による座談会の記録です。ぜひこちらも参考にしてください。
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