和太鼓と娘

昨秋、娘たちのクラスは和太鼓に取り組みました。
思春期の入り口に立ち、これまでとは少しずつ変わってきている我が子に、こちらもこれまでと同じように接してはいられなくなってきた…というタイミングでの、和太鼓。

夏休みに入ってすぐに始まった練習は、思っていたよりもずっとハードなようす。普段から根気や努力というものとは縁遠いところにいるナマケモノ属性の我が娘…。果たして最後までやり切ることができるのだろうかと、心配がよぎりました。

練習から帰ってくると「ただいま~疲れたぁ~…。」と、玄関先に倒れ込み、しばらくしてから勢いよく立ち上がると「今日はこんなん習った!」と、教わったことを実演混じりに話すようになりました。

しかし、本番のオープンデイが近づくにつれ、もう楽しみながらやってみせる余裕はなくなり、疲労で口がきけないほどクタクタになって帰ってきたかと思えば、そのまま一言も発さず、手垢で色の変わってしまった撥を握り、一心に打ち込みの練習をするようになりました。その真剣な眼差しと、凄まじい集中力に、見ているこちらも思わず息をのんでしまうほど…。

そんな日々を経て迎えた発表当日では、魂を震わせるような、天にも届く和太鼓の音色を響かせた6年生。みんなで一緒にやり遂げた後の子どもたちの顔には、達成感と、静かな深い感動があり、そのひとりひとりの姿にまた胸を打たれました。

翌月、法輪寺へ十三参りに行った際、好きな漢字・心に留めておきたい漢字を一文字選んで書くように言われた娘は、しばらく考えた末、『生』という字を書きました。どうしてその字を選んだのか訊くと、娘は「神様と世界が私という存在を必要としていたから、ここに生まれてきたんだってことが、みんなと太鼓をやって分かったから。」と、言いました。

さまざまなことに迷い、悩み、葛藤を抱えて過ごすようになっていた娘の、「感謝の気持ちで心がいっぱい…。私、幸せ!」という言葉と笑顔に、あぁ、この子は大丈夫だ。と、命の輝きとたくましさを感じさせられた、秋の一日となりました。
A.T

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※2023年度秋祭りの詳細はこちらをご覧ください。
是非、子どもたちの打つ和太鼓の響きを、体感しにいらしてください。

※和太鼓については次の記事もあります。
和太鼓 ~わが家のエピソード~
太鼓の響き

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