シュタイナー学校では4年生ごろに日本の古事記とともに北欧神話を学びます。我が家は3人兄弟で4年生時には異なった地域のシュタイナー学校に在籍していたのですが、やはり北欧神話を学んでいます。
末っ子が4年生の時にはそれぞれが「北欧神話の神様の中で誰が一番好きか?」という話題で大いに盛り上がりました。「私は、劇の時に女神フレイヤ役が出来なくて悲しかった」と姉が言えば「やっぱりオーディンかな」と長兄が言い、「僕はロキが好き」という末っ子に、二人で「やっぱりね!」と顔を見合わす。
こんな会話に親は入り込む隙はありません。
京田辺シュタイナー学校では学内保護者に向けての勉強会が行われています。
その名も『大人の勉強会』です。
京田辺シュタイナー学校は親と教師で作る学校ですので
このような勉強会も、親と教師で相談しながら、どのような講座を行うか決めて行きます。
昨年度末に学内にアンケートを取り、要望の多いものの中から、今年度は6つの講座を行うことになりました。
その中の一つ、毎日の授業をそのまま体験!「北欧神話のエポック」が行われました。
子どもたちが学んでいる北欧神話を5回の連続講座でじっくりと体験できる講座です。
様々な学年の保護者が参加し、教師がどのように子供たちに語りかけ
授業を行っているのか、実際にエポックノートも作成し体験していきます。
参加者の声をご紹介いたします。
子どもたちがメインレッスンを受けている時間に、私たち保護者もメインレッスンを体験する。この講座は、そんな講座です。日頃、子どもから聞くことしかできない授業の様子が、目の前で展開していくのです。興味しんしん、ドキドキワクワク。まずは朝のごあいさつ。先生の笛の音色に耳をすますことから始まります。みんなで一つの詩を唱え、歌を歌うと、「自分の詩」の時間です。先生が一人の人の前にろうそくを灯し、その人の詩を唱えます。終わるとその人はろうそく消しをそっとかぶせて火を消すのです。静かにゆっくり時間が進みます。そして名高い、「よーねんせい(四年生)」「はいせんせーい」の時間。先生の音程の通りに全員で返事をし、そのまま今度は、「〇〇さーん」「はいせんせーい」とひとりひとりの名前が歌うように呼ばれていきます。音程をはずさないように返事をするため、みんな真剣です。大人になってから自分の名前が歌になり、先生と見つめ合うなんて、くすぐったいような嬉しいような。先生のまなざしから、自分が大切な存在であることを感じます。きっと子どもたちも同じように感じているのでしょう。さて次は「リズムの時間」。輪になって、手拍子を送っていくのですが、手と足を連動させて拍子を取るのが難しいこと!詰まっている人に、「頑張れー」と言っているあいだに番が回ってきて、自分も止まってしまったり。そして体を動かすゲームがあり、そのあとは北欧神話の時間です。前回の内容を思い出すことから始まり、それが終わるといよいよお話の時間です。先生が素話で語られる北欧神話は、日本のお話とは様子が違い、最初は面食らいました。天地を貫いて大きな樹が生えていて、その中ほどに枝に支えられて海と陸地が広がっているのだとか。神々と巨人と人間がいるのですが、神さまは神さまらしくなく困ってばかりだし、巨人の血を引くロキに責任をなすりつけ、おいしいとこどりを企らんだり。名前がカタカナばかりで、「四年生がこんなお話についていけるのかな」と思いながらも、破天荒なお話に引き込まれていきました。そして、ノートに黒板絵を描く時間。実際に先生が黒板に描いてくださって、クレヨンの使い方から教えていただきました。実際に自分で描いたものと、先生の絵との違いに愕然としながらも、「大丈夫です!」という先生の力強いお言葉に励まされて、なんとかついていこうと頑張っています。残りの回も、とても楽しみにしています。秋に開催される「古事記」のエポックも心待ちにしています。
「学校、たのしい!」と目をキラキラさせて授業の話を聞かせてくれる息子。私も授業を受けてみたいな、という思いはずっとありました。今回は、北欧神話のエポック授業が5回も体験できるとあって、すぐに申し込みました。これまで、授業の様子を描写した本も読んできましたが、やはり実際に体験するのはまったく違い、たくさんの気づきと驚きがありました。
まずは、素話の力です。先生がお話をしてくださると、自分のなかに北欧神話の豊かなイメージがどんどん湧き上がってくることに驚きました。同時に、これが北欧神話ではなく不思議の国のアリスやピーターパンだったとしたら、私のなかに湧き上がるイメージは、どうしてもディズニー映画の絵にとらわれてしまうことに気づきました。子どもたちの無限に広がるイメージの世界を生き生きとはぐくむ素話の力を実感しました。
また、20人近くの参加者がいらっしゃるのに、自分が「とても大切にされている」と感じたことも不思議でした。たった2時間の勉強会でも感じるのですから、毎日通っている子どもたちが自信と安心感に満ちてキラキラしているのも当然だなぁと思いました。
さらに、「美しいもの」はこんなに人を幸せにするのかということ。美しい空間、美しい光、美しい音、美しい言葉、美しいイメージ。美しいもので満たされている時間がこれほどまっすぐ幸せにつながることに驚き、我が家の暮らしのあり方を反省させられました。
最後に、絵のうまい下手へのこだわりなく、画面いっぱいの絵が描けたこと。先生が一本一本の線の書き方を前で見せてくださいますし、具体的かつ直観的に描けるように教えてくださるので、絵に自信のない私でものびのびと描くことができました。描き方が決まっているからこそ、心が自由になるというのは不思議な体験でした。
そして、大人の勉強会ならではのお楽しみは、こうした授業の背景を教えていただけることです。なぜ4年生で北欧神話を習うのか、どのようなことに配慮して授業をすすめるのかというお話は興味深く、そこまで考え抜かれているのかと驚かされました。
たった2時間の勉強会ですが、とても幸せで満たされた気持ちで帰路につきました。「百聞は一見に如かず」を実感しました。ぜひたくさんの方に体験してみてほしいなと思いました。
今回初めてメインレッスンを体験することができました。子どもたちが毎日当たり前のように受けているシュタイナー学校の授業とはどういうものなのか?興味津々でした。ローソクを灯すところから始まり詩の朗読、あいさつ、円になってのリズム遊び、心がゆったりと満たされたところでお話が始まります。先生から語られる北欧神話の世界に浸り、実際にクレヨンを握ってエポックノートに映し出す・・のが難しい!思ったように描けない。これは宿題だ!ということで持ち帰り、夕食の際、子どもたちにエポックノートの描き方を聞きました。その後、自分たちの描いた北欧神話のエポックノートを持ってきて私の絵はこうだったとか、色使いがいいねとか、パパのはこうしたらいいよと教えてくれ、楽しい時間を過ごせました。この講座で学校の学びをより深く知ることが出来ましたし、親が子どもたちを知ろうとしている姿は、子どもたちに大きな喜びを与えるのだと感じました。ありがとうございました。
大人の勉強会は学内の保護者向けの講座ですが、11月には一般公開の講座も開催されます。
会場での開催とともにオンライン開催も予定しておりますので、全国から受講が可能です。
詳しくは、詳細ページでご確認ください。
大人の勉強会 スタッフ一同