美術の時間

先日、普段から「絵は苦手」と言っている12年生の娘が、10枚ほどの絵を大きなビニール袋に入れて学校から持ち帰りました。8年生から11年生までの美術の授業で描いたものだそうです。
娘が絵を一枚ずつ袋から出しては描いたときの話をするのを聞きながら、水彩画、鉛筆を使ったらしいスケッチ、木炭画などを一緒に見ました。

「最後がこれ」と言って取り出したのはA1サイズくらいの油彩画。先に見た画用紙の木炭画と同じような構図ですが、色がありサイズも大きいせいか印象がかなり違いました。
まず白黒の絵を木炭で模写し、それを基に油彩画を描いたそうです。
「油絵は、もっと抽象化している人もいたけど、私はこの構図を変えたくなかったから授業のたびにひたすら色を重ねてた」
夜の海を小さな船が進んでいるその絵は、微妙に色が違う青を丁寧に重ねて夜の雲を表現してあり、その隙間から黄色い月明かりが見えていました。

後日、『親と先生でつくる学校 京田辺シュタイナー学校12年間の学び』(せせらぎ出版)を開いてみると、11年生の美術の授業について次のような説明がありました。
『白黒コピーされた絵画作品の中から一つを選び、木炭でその模写を行います。次に、模写を通して感じ取った主観的な要素を、今度は油彩絵具を使って色彩ドラマで表現していきます。また、形を単純化させたり、変化させたりしながら抽象的表現を試みます。』

このような授業で描かれた絵だったようです。

「この絵、いいね」と言うと、「いいやろ?」と娘。
娘が過ごした美術の時間が、ちょっとうらやましくなりました。

n*h



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