器楽部のこと

 11年生の息子は、9年生までは野球部でしたが引退後(野球部は9年生まで)、10年生から器楽部に入りチェロを担当しています。オーケストラで弾く経験はほとんどなかったのですが、いつのまにか低音部を支える楽しさに目覚め、充実した放課後を過ごしています。

 秋には、一年に一度の学内向けの定期演奏会がありました。楽しんでもらいたいという想いが伝わってくる、暖かで居心地のよい演奏会で、小さな子どももあきずにリズムに合わせて音楽を楽しんでいました。

 定期演奏会は12年生の引退の節目でもあり、息子たち11年生は下級生を教える立場になりました。2学期後期から始まる6年生の体験入部も11年生がリードをとって進めます。毎晩帰宅すると翌日の準備のために、楽譜や五線譜を机に広げます。
 「音階を弾くだけじゃおもしろくないから、簡単に合わせられる曲を用意しておくんだ」
と、楽器経験が少ない下級生でも楽しく体験できるために工夫しています。

 冬の終わりに部内演奏会もあるので、後輩のためのソロ曲も見繕っています。部内演奏会は、定期演奏会とは違い全員で弾くのではなく、ソロや、くじ引きで決まったメンバーとのアンサンブル、自主的な演奏など、さまざまな取り組みの成果を披露する機会となります。
 「これはAちゃんだったら弾けるだろうけれどつまらないかもしれない」「Bちゃんが好きそうなメロディーだけれど難しすぎ」
など、下級生の好みや性格、力量を考え、チャレンジの気持ちで取り組むことができる曲を考えているようです。

 そのほかにも学校内の行事で弾く曲も練習しています。練習する曲目は多く、経験や性格様々な子たちが楽しく演奏できるよう、場をとりまとめてゆくのは大変そうですが、「教えるのも結構ためになるんだよ」と前向きに頑張っています。

 定期演奏会のときの12年生の挨拶で「器楽部で音楽が大好きになった」という言葉がありました。12年生の先輩の引退からひと月たちますが、『音楽が好き』という気持ちは先輩から受け継がれ、日々の中で育っていると感じます。

T.S.


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