東大寺二月堂竹送りに参加して

京田辺シュタイナー学校から、ほど近いところにある奈良の東大寺。
東大寺の二月堂では、3月1日から2週間、修二会(お水取り)と呼ばれる、752年から途絶える事無く続けられてきた法会が行われます。夜を徹して世界平和と人々の幸福を祈る僧侶達を照らす松明に、京田辺の竹も使われてきたそうで、二月堂まで竹を届ける風習を竹送りと言います。昔は、この時期になると街道筋に並んだ寄進竹を旅人や村人がリレー方式で奈良へと届けていたそうですが、現在は地域の方々のご尽力で市民参加型の行事として続けられています。
この竹送りに、本校4年生も郷土学の学びの一環として毎年参加させて頂いております。

竹送り当日、まずは竹林で竹を掘り出します。周囲の太さ34cm、長さ7mの真竹は、重さはなんと50kg。さっそく、何本かのうちの一本を本校の25名の子ども達と引率の先生で近くの観音寺まで担ぎます。お花見に、校外学習にと慣れ親しんだ田園の奥にひっそりとたたずむこのお寺に、かつておられた和尚さんがお水取りの創始者と聞き、感慨もひとしおです。お寺で道中安全祈願をしていただいた竹は、一旦トラックに載せられ東大寺へ。
東大寺境内は、お水取りとゆかりの深い様々な地域の方々と共に、再び子ども達も竹を運びます。保護者もお手伝いさせていただきましたが、大勢の観光客と行きかう鹿の間を縫うようにして竹を運ぶのは至難の業です。「よいしょっ、よいしょっ」と元気な掛け声で、登り坂を進んで行く子ども達に着いて行くのが精いっぱいで、二月堂に着いた時には、汗ばんでいました。

帰宅後は、家族でお水取りの話に花が咲きました。ひとしきりお水取りに関連する郷土学の様々な学びを熱心に語った娘は、「それにしても、おいしかったなぁ~」と、京田辺と奈良で地域の方々が振舞って下さった大根の炊き合わせやおぜんざいを思いだしてほくほく顔。
竹送りに寄せられた様々な時代の様々な人々の思いを、子ども達は、担った竹の重さだけではなく、おなかを満たした温もりを通じて、感じた一日だったのかもしれません。

※竹送りの様子は、学校報「プラネッツ」90号にも掲載されております。くわしくはこちらをご覧ください。

C.T





1元気に竹を運ぶ子供たち=観音寺で.jpg




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